鼠の下に天女有り【文スト】

天女は浮足立つ ページ15

.



デート初心者の私と、浮かれるゴーゴリ。

フェーヂャに与えられたゴシックロリータの所為で私達の見た目はかなり奇抜になった。
ゴーゴリだけで完成されていた所に私が更に追討ちをかけた形に成る。恥ずかしくて死にたい。

其れでもフェーヂャにお願いされてしまったら仕方ない。
彼は私の主なのだから。


「Aはデートは初めてかい？」

「はい。地下には其の様な相手も、行く場所も無かったので」


そう言うとゴーゴリは微塵も興味の沸かない様子で徐に返事をした。
私も其の方が有難かった。

きっと二人は私の様な子供は見飽きているに違いない。
実際私と同じ境遇の子は腐る程いた。


「では何処でデートなんて言葉覚えたのかな」

「其れは地下で。新しく潜ってきた女が言っていたんですよ。男とデートするつもりだったのに、とね。
其れを聞いてからは其の言葉を思い浮かべて何度も夢を見たものです」


まぁ前世から転生した私は勿論元から知っていた訳だが、
夢を見たのは本当だった。
彼氏も何も、出会いも無い生活を続ける中で何度も思い浮かべたものだ。

其れは前世も今世も変わらなかった。


「ふふふ、ならば正真正銘私が初めてのデートの相手なわけだ！」


嬉しいのは私も同じ、
前世では此の様に綺麗な人と隣を並んで歩くなんて考えたことが無かったもの。

ゴーゴリは綺麗だった、奇怪な服に身を包んで居ても判る其の端正な顔立ち。
私の様に馬子にも衣装な状態と違って、本人の美しさが其の服に負けないのだから綺麗に決まっている。


「貴方が嬉しいなら私も其れが嬉しいですよ」


此の様に笑えたのは何時ぶりだろう。
私は貴方から此れ程にも力を貰っている。

其の笑顔が私の力に成るのだから、此れは全部私の為。


「其れはドキドキしてしまいますね！」


だから貴方は其のままでいて。



＿＿＿＿＿＿

そういや皆様ゲーム始めました？

天女は躊躇う→←天女は拵える

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す