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真夏。周りの子たちは皆進路について悩む時期だった。
「AはＡ高校だろ？…もう一伸び欲しいなぁ」
「…分かってます。勉強、がんばります。」
私が志望するＡ高校は、私の今の学力じゃ少し厳しいって感じだった。
入試まで半年以上もあるけれど、今から本気でやらなければ、間に合わない。
この時の私は、ジュンの好きな子を見極めるのをすっかり忘れていた。
そんなことより、自分の勉強の現状が思わしくなかったからだ。
担任の先生との面談の後、教室の扉を開けると、後ろの席でぽつん、とジフンが座っていた。
「ジフン。まだ残ってたんだ」
「おう。もう帰るけど」
ジフンは今年から一緒のクラスになったんだけど、私とよく話す男子の一人だ。
小柄で童顔なのに、性格は大人っぽくてなんだかおもしろい。
「…おまえ、Ａ高うけるんだっけ？」
「うん、そのつもり。」
「俺も受けるよ」
「え、ほんと！？」
帰る準備をしながらジフンはそう言った。
ジフンって確か、学年でも10位以内に入る程頭が良かったはず。
……ここは、ジフンさんに一頼みするしかないかも。
「ジフン。たまに分からない問題あったら聞いていい？」
「任せろよ。俺のこと誰だと思ってんの？」
「神様仏様ジフン様です」
「よし、アイスおごれよ？」
それはちょっと…なんて焦る私を、ジフンはフッと鼻で笑った。
・
その日以降、私はジフンによく勉強を教えてもらっていた。
少しずつ肌寒くなるこの季節、よく私の家で勉強会を開いていた。
「おじゃましま〜す、今日もごめんねジュン君。」
「いいえ、お気になさらず。」
リュジンが珍しくニコニコ笑顔でジュンに挨拶をする。
玄関で私たちを出迎えるジュンは、天使のような微笑みを見せてくれた、今日も可愛い。
「おじゃまします…あ、どうも」
ジフンがぺこっとお辞儀をすると、ジュンもお辞儀をし返していたけど、
ジュンの表情が少しだけ固まった気がする。
緊張してるのかな？そんなことを思ってると、ジフンが私のおでこをツン、とついてきた。
「ちょっとジフン。なに」
「ぼーっとしてたから」
「してない！」
私たちのやり取りを見ながら、
リュジンは「相変わらず仲いいねお二人さん〜」なんて茶化してくる。
二人を追いかけてリビングに入る私は、ジュンの表情なんて見ていなかった。
この時、ジュンがどんな顔をしていたかなんて、知らずに。
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名無し26313号(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます。ジュンと主人公の反応とかが可愛くて今後の展開が楽しみです！更新頑張ってください。 (2020年3月28日 21時) (
レス) id: 40840743fa (このIDを非表示/違反報告)
モノトーン - とっても面白くて可愛くてこのお話大好きです！！更新応援してますね！ (2020年3月28日 20時) (レス) id: ec5d80a5b4 (このIDを非表示/違反報告)
。 - 面白いです！今後も更新楽しみにしてます！ (2020年3月27日 19時) (レス) id: 084d5d2c2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨルの最中
| 作成日時：2020年3月24日 22時
