完璧王子、ハンビンくん！ ２

33.カリスマジャンハオ会長 ページ35

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「はぁ？俺が裁縫できると思ったの？」

「……ですよね」


完璧生徒会長でも、出来ないことはあるみたいだった。

放課後、生徒会室に呼ばれた理由は資料の修正の件だけで。
つまりものの５分で用は済んでしまい、試しに「ミシンを使えるか」聞いてみたところ失敗に終わった。



「Aが衣装作ってるの？」
「はい、私とあと数名しかミシンが使えなくて」

「大変だねそれは。今日生徒会室開けておくから、このままここ使いなよ」

「え……いいんですか？」
「集中できる環境の方が大事。21時まではここ使っていいよ。」

「〜〜〜さすがです、カリスマジャンハオ会長！」


目をキラキラさせて拍手すると「まぁね」と嬉しそうだった。

段々この人の扱いも心得てきた。褒めるとちょっと嬉しそうにするから、意外と可愛いところもあるんだなって思う。出会った時と印象が全く違う。


「先輩のクラスは何やるんですか？」
「ホスト」


「……え、ホスト？」
「そう。女の相手とかしたくないんだけどね。優勝するために客数稼げるテーマにした」

ホスト……。NO,1 カリスマジャンハオとか言われてそうだな。

そう言えばリッキー先輩やクァンルイ先輩は何をやるんだろう。
確かこの三人はクラスが全員違ったはずだけれど。




「休み休みやりなよ。怪我したら大変だし」

「はい、ありがとうございます。」

ジャンハオ先輩は自販機で買ったのか、ココアを手渡してくれた。

優しい、本当に優しい。たまに鬼だけど。
今までは９割鬼、１割優しさだったけど最近は逆になった気がする。

ようやく私も認められてきたか、少し嬉しくなる。最初会った時なんて『この庶民が』みたいな目で見られていたのに。


ジャンハオ先輩も生徒会長の仕事があるという事で、生徒会室には私達２人が、それぞれの作業をすることになった。



パソコンのキーボードをたたく音、ミシンが起動する音が混ざり合って変な感じがした。

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