9.優しさ??? ページ11
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「ハンビン君から、こんなグイグイ来るのが不思議で。」
「うん、確かにね」
「どうしても、疑っちゃうんです。
私なんかに、って何度も思ってしまって。期待もしたくないです。
……もっと、お似合いな人。いるし。」
オムライスを食べていた手が止まった。
食欲が急に無くなってしまった。今の私はやっぱり少しだけ、辛いみたいだ。
「Aには分からないかもしれないけど。
ハンビン、相当Aへの思いがあるんだよ」
「え?」
「だって、あんな完璧王子みたいな子がさ。Aの前ではあんな拗ねた顔するんだよ?
A、もう少し自信もちなよ」
自信……自分とは最もかけ離れている言葉だ。
それは幼い頃から、あの麗しい兄弟と比較されてきたのもある。
あの二人は私を可愛がるけど、周りはあの二人を可愛がる。
性別がまだ違くて良かった、それだけが救いだった。
「ハンビン、人をもて遊んだりする性格じゃないでしょ。
だから、ハンビンの言葉を信じてみたら?」
ハンビン君の、言葉。
今まで言われてきたこと、それのどれもが嬉しくて、胸がきゅんと高鳴って。
好きって何か分からないけど。
少なくともハンビン君にドキドキしてしまうのは事実だ。
「ジャンハオ先輩、優しいんですね」
「当たり前だろ。誰だと思ってんだ」
「……悪魔かと思ってた」
ジェイ先輩は「悪魔!」と大笑いしていた。
ジャンハオ先輩はおでこに手を当てて「はぁ」とため息をつく。
「わんこ、本当変わってるね」
「え?」
「媚び売らない女の子、初めて見た。俺も基本的に女嫌いだから。
ジェイと違ってね」
「ノン!人間が好きなだけです」
ジャンハオ先輩はマシューと似ているのかもしれない。
けどこんなイケメンなら狂ってしまう女の子も多いのだろう。
良かった、私が既にイケメンな兄弟を持っていて。
既にイケメンへの耐性があるとないとでは、だいぶ違うみたいだ。
「最初見た時から、Aは面白い子だと思ってたよ!」
ジェイ先輩はオレンジジュースを片手にそう言う。
なんだか今日は凄い褒められる。
……っは!まさか、優しくしておいて生徒会の沼に引きずり込もうとしている!?
そわそわしていると「残りいらないの?俺食べる」とジェイ先輩にオムライスを奪われてしまった。
ジャイアンかと思った。
ジャンハオ先輩は「わんこ、餌無くなっちゃったね」と嬉しそうにしている。やっぱり優しくない!
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ヨルの最中(プロフ) - あゆみさん» コメントありがとうございます!励みになります〜☺️ (2023年4月2日 0時) (レス) id: 3ee7ed234a (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 一昨日この素敵な作品を見つけてもうここまで読んでしまいました🥹❤️大好きです!!これからも素敵なお話楽しみにしてます🫶🏻 (2023年3月26日 0時) (レス) @page47 id: d903579d41 (このIDを非表示/違反報告)
ヨルの最中(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます‼️ 嬉しいです🥲 (2023年3月25日 23時) (レス) id: 3ee7ed234a (このIDを非表示/違反報告)
ヨルの最中(プロフ) - スヨンさん» 引き続きコメントありがとうございます〜😭❕ (2023年3月25日 23時) (レス) id: 3ee7ed234a (このIDを非表示/違反報告)
ヨルの最中(プロフ) - しのさん» コメントありがとうございます🥲 ジャンハオ会長、書いていて楽しいです🥲 (2023年3月25日 23時) (レス) id: 3ee7ed234a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨルの最中 | 作成日時:2023年3月17日 23時