29.もっと、君と <マシュー> ページ32
.
「あぁ姉ちゃん。そういえばゴヌクも一緒の高校受けるって」
「え、そうなの？」
「うん、ゴヌクめちゃめちゃ頭良かった。4月のテスト学年１位だし」
「うわそれは凄い。ユジンは？」
「惜しくも3位。」
「部活やっててそれなら大したもんだよ」
３人で会話が弾んでいく。
これが、家族なんだって、理想の家庭の概念を思い浮かべていると話の矛先が俺に来た。
「マシューさんは、部活とかやってないの？」
「あぁ、入ろうと思ってるけど迷い中なんだ。バイト忙しいし」
「そうなんだ、マシューさん。運動神経よさそう。モテそうだし。
っていうかさ、姉ちゃんがこんなモテ男みたいなの連れてきたの初めてだよ」
「それも男を家に呼んだのが初めてだぞ」
「え？そうなんですか」
兄弟二人の視線が俺とAに向く。
「マシューはモテるよ。けど、ちゃんとしてる人だから」
ちゃんとしてる、って何が。俺の腐ったところとか知らないでしょ。
と思ったけど、兄弟二人は「フーン」と同じ相槌をしてその話が終わった。
―――晩御飯のあとは、３人に見送られて家を後にした。
「またおいでね」と優しく微笑むジウンさんの言葉は嘘じゃない気がした。
色々と俺の苦労も察していた気がする。
俺の家はAの家から徒歩10分圏内にあって、意外と近い。
家に帰ると案の定誰もいないけど、今日だけはずっと心があたたかい。
こんな感情、初めてだ。
人には興味ない。けどAは別。
興味しかないし、ずっと一緒にいたいとか思う。
「……また食べたいな」
空虚な空間に、ポツリと言葉が響く。
こころがあたたかいって、こういうことを指すんだ。
もっと、Aの作るご飯を食べてみたいし、
もっと、Aと。
そこまで考えると、目を閉じて思考を止めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 964人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨルの最中(プロフ) - ななさん» ありがとうございます！毎日の癒しと言って貰えて嬉しいです、、、 (2023年3月20日 10時) (
レス) id: 3ee7ed234a (このIDを非表示/違反報告)
なな - 初めまして！！ボイプラの夢小説が読みたくてこの小説に辿り着きました！毎日の癒しになってます！展開が読めなくてわくわくしています！更新楽しみにしております！！ (2023年3月17日 23時) (レス) @page50 id: 5c5df81be3 (このIDを非表示/違反報告)
ヨルの最中(プロフ) - スヨンさん» ありがとうございます‼️ (2023年3月17日 11時) (レス) id: 3ee7ed234a (このIDを非表示/違反報告)
スヨン(プロフ) - ジャンハオ先輩の登場嬉しすぎます！！更新楽しみにしてます☺️ (2023年3月14日 1時) (レス) id: 39a7c5fd09 (このIDを非表示/違反報告)
ヨルの最中(プロフ) - はにさん» 前作に引き続きコメントありがとうございます😻 (2023年3月7日 20時) (レス) id: 3ee7ed234a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヨルの最中
| 作者ホームページ：https://twitter.com/Nightmonaka
作成日時：2023年3月4日 1時
