49 勝ちたいもの ページ10
優勝を目指している訳では無い。
勿論上を目指すが、そこまでの執着は無かった。
目標が無いのなら、今考えよう。
敦は床を見つめる。
何位まで、とか？でもそれなら一位を目指せって話だし…
轟君のように、僕が勝ちたい人は、
…僕の超えたい人は、
理解出来ない人は、
一人しかいないじゃないか。
敦は顔を上げた。
彼奴の方を向くと彼奴も此方を見た。
目が合い、睨み合う。
お互いから発せられた殺意が、その部屋を包み込む。
クラスメイトは一斉に口を噤み、不穏な空気を流す二人を心配そうに見つめた。
離れていた二人が歩きだし、1歩手前で立ち止まった。
敦が睨みながら口を開く。
「芥川」
芥川はポケットに手を突っ込み、無言で敦を睨み続ける。
敦は大きく息を吸い、堂々と言い放った。
「僕はお前が全く理解出来ないし、したくない！」
「「(言いやがった！！)」」
真剣な顔をする敦はギュッと拳を握り締めた。
とんでもない発言をした敦をクラスメイトは冷汗をかいて見つめる。
芥川は眉間の皺を深め、子供が泣きそうな程の目付きで敦を睨みつける。
「僕はお前が嫌いだ！だからお前には勝つ！」
一層大きく敦の声が部屋に響く。
敦が更に声を張り上げた。
「勝ってお前を否定する！！」
意見の違いが、思いの違いが、今まで二人はお互い全く理解出来なかった。
だからこそぶつかり合い、喧嘩する。
芥川は数秒経って、口を開いた。
「上等だ。
芥川は淡々と、敦に向かって話す。
「今日こそお前を叩き落とす。」
「…上等だ！」
「容赦はせぬ。」
話し終えるが否や、お互いくるりと背を向けて反対方向に歩き出す。
ピリピリとした空気が部屋を包んだままだった。
緑谷が帰ってきた敦に声をかける。
「凄いね、あんなに堂々と言っちゃうなんて」
敦は照れたように頭をかいた。
「えっ、そんな…僕緑谷君の見て決心したんだ。緑谷君かっこよかったよ。」
緑谷も照れたように頬をかく。
「えへ…ありがとう。」
緊張した雰囲気は何処へやら、再び二人を平和な雰囲気が包み込む。
そんな光景を見ていた切島が芥川に話しかけた。
「中島ってお前と居る時だけ性格変わるよなー」
「知らぬ」
「あ、返事してくれた！」
「何か今日お前素直じゃね？」
なぁなぁ、と迫り来る切島と瀬呂を芥川は睨みで一掃する。
芥川の脳内で昨夜のAの言葉が蘇っていた。
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レイン - 初コメ失礼します。体育祭どうなるのかとても楽しみです！更新待っています! (2020年8月4日 22時) (
レス) id: ab1b7dcd95 (このIDを非表示/違反報告)
Ainyami(プロフ) - コメントありがとうございます。体育祭は私も色々と楽しく考えています。これからも宜しくお願い致します。 (2019年8月24日 17時) (レス) id: c6187a3341 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 体育祭、どんな展開になるのか楽しみ！更新頑張ってください!これからも応援してます！ (2019年8月24日 11時) (レス) id: ad6e6193ff (このIDを非表示/違反報告)
Ainyami(プロフ) - コメントありがとうございます。私自身もこの夢主の性格はとてもお気に入りです。これからも宜しくお願い致します。 (2019年8月24日 7時) (レス) id: c6187a3341 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - 続編おめでとうございます！夢主ちゃんのキャラがすごく好きです。これからも応援しています！更新頑張って下さい！ (2019年8月21日 6時) (レス) id: a397175b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ainyami | 作成日時：2019年8月19日 20時
