夢主の白衣 ページ2
「Aちゃんの白衣って、何が入ってるの？」
放課後、敦と龍は私の部屋にきていた。
唐突な質問に、首を傾げる。
何、急に。
敦は私の着ている白衣を見回した。
「ほら、閃光弾とか、メスとか色々入ってるから、他に何が入ってるのかなーって」
龍は敦を見ると鼻で笑った。
「知って何の得がある」
うん、私もそう思う。
「だって、気になるだろ」
敦は不満そうに龍を見て、私の白衣に再び目を移す。
…まあ、別にいいけど
私は白衣の右ポケットに手を突っ込んだ。
「え！いいの！？」
「別にいいけど…」
ポケットから出した手を見て敦と龍は顔を青ざめた。
私の手には6本のメス。
その内三本は仕掛け付き。
「ﾋｪ…」
何その反応。
それを机に並べるともう一度ポケットに手を入れた。
閃光弾と、催涙弾を並べる。
これは見た事があるのかあまり反応は無かった。
あと…
「…まだあるのか」
「違うもの」
こっちにはこれで最後。
私の手には茶色い小瓶が二つ。
「…？何それ」
しらっとした顔で答える。
「痺れ薬と軽い毒」
敦は顔を青ざめ、龍は妙に納得した顔をした。
「流石は医者だな」
「ほ、他には？」
安心して、右ポケットには安全なものしかはいってない。
普通の救急セットを取り出した。
「Aちゃんは医者だもんねぇ…」
「何今更言ってんの」
敦は急にしみじみと言った。さっき龍が言ってたじゃない。
「あと」
「え、待ってポケット二つだけだよね。」
「ポケットだけが隠し場所じゃない。」
私は白衣の内側に手を入れる。
「(凄い嫌な予感がする)」
「(…)」
私は器用に三つの物を手に持つ。
二人はそれを見て天を仰いだ。
左手にジャックナイフ、弾、右手に拳銃、スタンガン。
二人は衝撃のあまり何も言わない。
何よ、私元ポートマフィアなんだけど。
私は不満げな顔をして白衣の襟に手を滑り込ませる。
「あと」
敦が慌てて向き直った。
「まだあるの？！」
「敦が見たいって言ったじゃない」
「予想の上を行き過ぎだから！」
「これ以上見ると白衣を嫌いになりそうだ」
「なって不便はないわよ」
「…兎に角もういい」
取り敢えず強制的に終わり、Aは不思議そうな顔をして、二人は疲れた顔をしていた。
その後、暫く二人は白衣をみると遠い目をしていたらしい。
「(いつか爆弾出てきそう)」
「(…今度閃光弾貰いに行くか)」
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作者名：Ainyami | 作成日時：2019年8月18日 11時
