38 USJ其の九 ページ45
モヤが完全に消えたのを確認してから銃を下ろす。
再び腰に戻し、ぐるりと周りを見回す。
驚いた生徒の顔、それに眠っている化け物。
私は化け物に近づく。
片腕を持ち上げてみて、観察する。
…ふーん。個性って便利ね。メスの傷が跡形も無い。
パッと手を離すと音を立てて地面に叩きつけられる化け物の腕。
でも薬に免疫は無いらしい。まぁ、もし死柄木がこれを作っているのなら今度からは対策をされるかもしれないが。
生徒が囲んでいる相澤先生を治療してから移動かな。
「一寸退いて」
一言言うなりパッと散る生徒達。
私は先生に近づき意識が無いことを確かめる。
「…骨折れてるな」
まぁこの見た目じゃ当たり前か…
血だらけの顔は見慣れた私でも痛々しい。
取り敢えず
「…『枕草子』」
私の周りをピンクに近い紫色の文字列が包み込む。
ぼんやりと同じ色に光っている手を先生に当てればその光は先生に移った。
傷が治り始めるのを見ながら私は異能を停止させる。
先生の表情が少し穏やかになった…気がした。
この人表情全然変わんないし。
「治癒能力…」
生徒の誰かが呟いた声が耳に入る。
ああ、この世界でも稀なんだっけ。
私は清潔なハンカチを取り出し先生の顔の血を拭く。
…やっぱり完全には治せないか、あんだけ重症だと。
先生の傷にガーゼを貼ったり包帯を巻いたりとある程度した所で顔を上げる。
まあ先程から視線は感じていたが全員がこちらに注目しているのには驚いた。
「あー、取り敢えず怪我人こっち来て。治すから。副委員長生存確認とか宜しく。」
何か委員長居ないし、あぁ確か彼の個性エンジンだっけ。助け呼びに行ったのか。
副委員長はキリっとした顔になり声をかけ始める。
何人か私の元に近づくが恐る恐る、と言った感じだ。
そう怖がんないでよ。
溜息をついて、横に居る二人に声をかける。
「敦、龍、さっき怪我は治したよね。外で待機しといて。先生方が来るから案内役。」
二人はこくんと頷く。
走り出した二人の背中に念を押した。
「約束破ったら二人一緒の部屋に住まさせるからね！」
「何それ絶対やだ！」
「死んでも守るから安心しろ」
一定の距離を置いて走る二人を少し見送り生徒に視線を戻す。
「さて…」
私はぐるりと生徒を見回した。
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桜(プロフ) - 続きが速く読みたいです。 (2020年8月21日 16時) (
レス) id: f12f1a44ac (このIDを非表示/違反報告)
Ainyami(プロフ) - 鶴来 アリスさん» コメントありがとうございます。私も少ないかなぁ、なんて思いつつ書いてしまったので申し訳ないです。必要だったら書き換えます。どのくらいか、コメントして頂けると助かります。失礼しました。 (2019年10月30日 6時) (レス) id: af6958aa41 (このIDを非表示/違反報告)
鶴来 アリス(プロフ) - すみません、夢主って前世は成人してたんですよね？だとしたら預けてたお金2000万じゃ少ない気が…。いや私も相場が分からないのでどれくらいとか言えないんですけど…。。。 (2019年10月29日 15時) (レス) id: aa3614dbb5 (このIDを非表示/違反報告)
Ainyami(プロフ) - ヘルプからお問い合わせにいってもらって、アップロードについてから出来ると思います。試してみてください。描いてもらったので、できれば見たいという私の想いがあるのでお願いします。 (2019年8月20日 14時) (レス) id: c6187a3341 (このIDを非表示/違反報告)
酸素無駄遣い装置 - Ainyamiさん» すみません、イラストは出来上がっているのですが、イラログに投稿できなくて……URL化出来ないんです。ログインしないとこれ以上は投稿できないらしいです。すみません。 (2019年8月20日 12時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ainyami | 作成日時：2019年5月13日 20時
