言い訳1 ページ10
▹
『…真希先輩!』
「行くぞ」
気配に気がついてぱっと顔を上げれば、いつもと違って制服ではなく私服に身を包んだ彼女が目に入る。
それもそうだ、今日は任務で外出するのではない。
今日は2人きりで出かける事になったのだ。
所謂デートである。
というのも半ば強制的に、私が駄々をこねる形ではあるが。
それに、流石に恥ずかしくて彼女にはお出かけだと言い換えて伝えた。
訓練から任務から、色々な事を手助けしてくれる憧れの先輩。
毎日毎日オーバーだと言われるほどに感謝と尊敬の念を伝えても足りはしなかった。
この日をチャンスに変えるのだ。
ホワイトデーのお返しのために一緒に出かけないかと提案したのが2週間前。
そんなもの嘘で、本当は彼女と一緒に過ごしたいだけであった。
聞かれてもいない言い訳を並べ、そんな私を落ち着かせた彼女が承諾してくれたのだ。
ホワイトデーのお返しなど言い訳であるが、それを勘づかれてはいけない。
実はこれでも恥ずかしいのだ。
普段から彼女への気持ちを全身と言葉で表現しているが、一緒に外出しようと誘うのには勇気が必要だった。
ホワイトデーを盾にして。
今日の日が楽しみで楽しみで、結局目覚まし時計が鳴るまで待ち構えていた私の目の下にはしっかりとクマが残っていた。
30人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
m__rr(プロフ) - お返事ありがとうございます( ´ω`*)! もしよろしければ、宿儺で書いていただきたいです..! (2021年3月16日 13時) (レス) id: 87fa9eda41 (このIDを非表示/違反報告)
花央(プロフ) - m__rrさん» わー!ありがとうございます…!勿論大丈夫です…! (2021年3月15日 11時) (レス) id: 2b70089d86 (このIDを非表示/違反報告)
m__rr(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく拝見しています(_ _*)) 突然ですが、キャラリクエストよろしいでしょうか…? (2021年3月14日 23時) (レス) id: cbad7118e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花央 | 作成日時:2021年3月6日 21時