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渡された服に着替える。
柔らかい香りのする彼女のそれを着ればなんだか妙な気分になった。
二重人格どころではない、最早同じ顔の別の人物なのではないかと疑う程である。
普段の様子からすれば、このような男物のTシャツを持っているイメージなんて欠片も無いからだ。
もしかしたら彼女の物ではなく、別の男の物かもしれないが。
『あがったよ』
悶々と考えているうちに彼女が浴室から帰ってくる。
置いてあった私の制服を手に取ると、軽く払って皺を伸ばし、ハンガーに掛けてくれた。
何とも気が利く人だ。
一体どちらが本当の彼女なのだろうか。
「…ありがとう、迷惑をかけてすまない」
『どういたしまして』
気にしなくていいと軽く笑って言われる。
ぼんやりと彼女を見ていると、視線に気がついたのかくるりと振り返った。
大丈夫かと問う声に頷けば、少ししゃがんで目を合わせてくる。
そういえば、彼女の目をしっかりと見た事はなかった。
そう思ってまじまじと見つめていれば、目を逸らされる。
なんだか負けた気分だと言って頬を掻く彼女を見て小さく笑った。
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花央(プロフ) - la19さん» ありがとうございます…!読みにくくなっていないか心配だったのでそう言っていただけると安心します…ありがとうございます! (2021年3月16日 9時) (レス) id: 2b70089d86 (このIDを非表示/違反報告)
la19(プロフ) - とても読みやすくて面白いです!お気に入りと作者登録させて頂きました(^^)更新楽しみにしてます! (2021年3月16日 8時) (レス) id: facfd92d2d (このIDを非表示/違反報告)
花央(プロフ) - はぁぶ。さん» わー!ありがとうございます…!更新頑張ります! (2021年2月21日 19時) (レス) id: 2b70089d86 (このIDを非表示/違反報告)
はぁぶ。 - (#^.^#)<(読んでいて、とても楽しいです!頑張ってください!) (2021年2月21日 19時) (レス) id: 07f592de9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花央 | 作成日時:2021年2月21日 16時