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以降彼と遊んだ公園に行く事は二度となかった。
帰り道も変えて、遠回りをして。
謝らなければと思えば思うほど、そこへの足取りは重くなって次第に諦める事を覚えるようになった。
風化していく思い出とは反比例するように、あの時の出来事が深く心に突き刺さっていった。
「…A、何かあったらお母さんを頼って良いんだからね」
優しい母を傷つけたくはなくて、その度に何でもないと誤魔化して。
そんな私に追い打ちをかけたのは気持ちの悪い人達であった。
小さい頃とは違って目の合う気色の悪い不審者達は、他の人には普通見えない物であると薄ら理解した。
気持ち悪い。
道の端に真ん中に、頭上に足元に首に目の前の人の肩に。
背骨を直接なぞられているような、そんな地獄のような悲鳴とも言えぬ声を聞き、その姿を見て。
疲弊しきった私は遂にそれと目を合わせてしまったのだ。
『……っは、いや』
下卑びた笑い声をあげながら近付くそれは私の足首を掴む。
骨の折れる音を聞き、痛みに顔を歪めながら近くに落ちてきた石を拾って顔と思わしき部分を殴る。
ものともせずに足を執拗に砕くそれに、半ば逃げる事を諦めたその時であった。
にたりと汚い笑みを浮かべたその顔が湾曲する。
物凄い速さで横に吹き飛んだそれを唖然と見ていれば、目の前に手が差し出された。
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花央(プロフ) - la19さん» ありがとうございます…!読みにくくなっていないか心配だったのでそう言っていただけると安心します…ありがとうございます! (2021年3月16日 9時) (レス) id: 2b70089d86 (このIDを非表示/違反報告)
la19(プロフ) - とても読みやすくて面白いです!お気に入りと作者登録させて頂きました(^^)更新楽しみにしてます! (2021年3月16日 8時) (レス) id: facfd92d2d (このIDを非表示/違反報告)
花央(プロフ) - はぁぶ。さん» わー!ありがとうございます…!更新頑張ります! (2021年2月21日 19時) (レス) id: 2b70089d86 (このIDを非表示/違反報告)
はぁぶ。 - (#^.^#)<(読んでいて、とても楽しいです!頑張ってください!) (2021年2月21日 19時) (レス) id: 07f592de9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花央 | 作成日時:2021年2月21日 16時