sugar & bitter

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「ちょっ、山田…！せっかくおすすめしてくれたのに…！！」


「えー？だって俺はガトーショコラの気分だったんだもん」


店員さんに聞こえないよう、席についてすぐ山田に小声で問い詰めるもこの調子。


我が道を行く男、山田涼介…



と、ところで…！！


「なぁ…あの店員さん、超可愛くない？」


「ん？まぁ、可愛いけど…」


ケーキが来るまで退屈そうにスマホをいじる山田の耳に手を添えてコソコソ話すと、なんとも煮え切らない返事が返ってきた。


でもライバルが増えないなら好都合。俺は恋したら割とアタックするタイプ。上手くいくことは少ないけど…


「俺…これからここ通おうと思うから付いてきてお願いっ…！！」


「…別にいいけど大ちゃん、あの人って…」




「お待たせいたしました。レアチーズケーキとガトーショコラでございます」


山田が言葉に表せない微妙な表情を浮かべて何か言いかけてたが、例の店員さんによって遮られてしまった。


「あ、ありがとうございますっ！」


「おーうまそー！」


目の前のこれまた可愛らしいテーブルに置かれたケーキたちは、シンプルながらも綺麗に作られていて職人さんたちのこだわりを感じた。


味ももちろん…


「んーーうまーー！！！」


「めっちゃ濃厚！！！」



今まで食べたケーキの中で1番美味しい…


純粋にそう思い、チラリと店員さんの方を見やると目が合いニコリと微笑みかけられた。


や、やばい…！！可愛すぎるよ…！！！


「大ちゃんの一口もーらい！」


店員さんからの微笑みについぼーっとしていたら、隣からひょいと取られてしまった。


「あっせこい！俺にも一口！」


ん〜ガトーショコラも美味い〜〜！！！


2人で子供みたいなやり取りをしていたら、また店員さんに微笑まれた。

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