検索窓
今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:18,778 hit

2 ページ2

「えー、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本校は勉学はもちろんのこと、部活動にも力を入れておりましてですね、本日は……」

しばらくして校長先生の話が始まった。すぐ終わるかと思ったが、話が脱線してしまい結構長いこと喋っている。段々とうとうとしてきて、私は膝に顔を埋めて寝る体制に入った。元々部活動に入る気はないため見なくても大丈夫だろう。

「……ということでね、早速ですが部活動紹介に移らせていただきます」

校長の声が子守唄のように聞こえる。新しい環境というのは疲れるもので、最近はいくら寝ても寝足りなかった。意識が段々と遠のいていく。
あーーー、おやすみなさ……

「キャーーーーーーーッ!!!!」

「!?!?」

急な悲鳴によって意識が強制的に戻された。顔を上げて周りを見ると、頬を紅潮させた女の子たちが立ち上がって必死に手を振っている。彼女たちの視線の先−−そこには、黒いユニフォーム姿で横一列に並ぶ長身の男の子たちがいた。女子たちの声援からして、この人達が噂の男子バレー部なのだろう。

「こんにちは。男子バレー部主将、北信介です」

マイクを持った男の子−−北信介が話し始めると、黄色い悲鳴を上げていた女の子たちは自ずと静かになった。彼の口元は緩く弧を描いてはいるが、どこか他人を黙らせる圧のようなものがある。
私は話し続ける彼を隅々まで観察した。
高身長揃いのバレー部の中にいると少し低いような気もしてくるが、クラスにいたら背は確実に高い方だ。さらさらの髪に陶器のような美しい肌、少し眠たそうな目、その全てになぜか惹かれてしまう。話すときの言葉選びや語彙が富んでいる所からすると、頭も良さそうだ。

−−久々にビビッと来てしまった。

「顔良すぎんか?てか圧すごくね?北信介さんめちゃくちゃ推せるわ」

転入3日目にして、推しができてしまった。

3→←1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
112人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 北信介 , 稲荷崎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:豆腐ハンバーグ | 作成日時:2020年4月11日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。