本当の気持ち【あ/ほ/の/坂/田】

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私達が付き合って5ヶ月位経ったある日の事だった

学校ではそんな噂は直ぐに広まるので今となっては校内公認のカップルの様になっていた、そうなったのも二人共、遊び人だった事が大半で坂田は人脈があったからすぐに広まったのだろう

それでも私はたまに坂田の事がまだ好きだと言う人によく呼び出されるし今日も例外なく呼び出された

「えっと、何ですか？」

「ねぇ、何で貴方なの？ 幼馴染だから？ 坂田君を脅したの？ 何をしたの？ 男遊びしてた癖に何で坂田君とそんなに続いてるの？ いつもみたいに遊びだったら早く別れてよ！！ ねぇ…！」

呼び出されるなりその女の子は私に気持ちをぶつけてきた、こういう類は珍しい、暴言とかじゃなくて素直に自分の気持ちをぶつけてくれる人なんて意外と居なかったから私は素直にその人に真実を伝える事にした

「今は別れられません、ごめんなさい、でも私はいずれ捨てられるの分かってるので安心してください、私は坂田君が大好きです、あの人、本当に優しくて、いい人なので好きになる気持ちは分かります、でも坂田君は何か友達と賭けをしているみたいで、私はその賭けの期間が過ぎればどうせ振られるので、すみません、それまでは待ってて下さい いつでも貴方の相談に乗りますので…」

私は「他の人にはこの事絶対言わないでくださいね、坂田の立場が悪くなっちゃうかもしれないですし、貴方に言ったのは素直に暴言とかではなく気持ちをぶつけてきてくれたから信用して言いました」と後に付け加えて微笑み掛けた

5ヶ月経った今でも坂田はたまに辛そうに顔を歪ませるのだ、賭けで付き合っている事の罪悪感からか、私に嫌気が差しているのに付き合い続けているからしんどいのか、分からないが私の事が好きではない事は確かだった

「そ…うなんだ、私 秘密にする…から、これからお友達になってくれない…かな？」

そう言って首を傾げる彼女は誰が見ても可愛いと言うだろう、守りたくなる様な小さい体に大きな瞳、桃色の血色の良い頬にぷっくりとした唇、そして綺麗な長い黒髪、そんな愛くるしい容姿をした彼女にそんな事を言われれば断れる人がいるのだろうか

「是非、お願いします」

「やった…！ 私3年の椎名ひより…！ よろしくね、えっとA…ちゃん」

高校に入って初めての友達の出来方に思わず私は苦笑いを零した

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