気持ち28% ページ30
その場しのぎで言った言葉に絶賛後悔中の私は今、坂田に抱き締められている、抱き締められてからかれこれ十分以上は経っているのだから後悔するに決まっている、だって普通に恥ずかしいじゃないか…やめろそんな目で私を見るな、一応これでも恋する乙女とやらなのだ、と脳内で暴れまくっているのだがそんな事を顔に出さず私は冷静に「もうそろそろ離れて」と軽く胸板を押した
素直に離れる坂田は予想通り納得がいかない、という気持ちを全面的に出した表情をしていた
「いや…だって長いし…」
それに勘違いしてまうやんか、と言うと坂田はより一層顔を歪ませるだろうから言わない事にした、私は坂田は好きで付き合ったのでは無い事を知っている、どうしても賭け、とやらをしたいのだろう、今まで坂田の我儘は聞いてきたつもりだしその延長線だろう、という気持ち半分で承諾したのだ、残りの半分は言わずもがな、あんな真っ直ぐに好きな人に気持ちを伝えられて首を横に振れる勇者なんて居ないと思う、冷静に考えればそんな事ある筈が無いと分かっていながらもその時だけは本当に坂田も私の事が好きなんじゃないか、と浮かれるだけの言葉であった、いつから坂田はそんな嘘が上手になったのだろうか。
刹那、頭に温かい感覚があった、それが坂田が私を撫でてくれていると気付くまでにそれ程時間は要さなかった
「俺の事見てや」
私の顔を覗き込む様にして見詰める坂田から出た言葉に心臓を掴まれた気がした、そんな言葉が坂田から出てくるなんて思わないじゃないか、だって坂田は本気で好きで付き合ってる訳じゃないんだし…でもずっと好きだったのだから付き合ってる期間だけでも楽しまないと損だよなぁ、そんな結論に至った私は無駄な考えをする事を一時的に辞める事にした。
「見とるよ、どうしたんいきなり」
動揺を隠すように言葉を紡ぐとゆっくりと抱き締められる、坂田ってハグが好きなのかな、暖かいなぁ、なんてどこか他人事の様な考えに走る、それ程までに実感が無いのだろう、それでも目の前には坂田が居て、ただただ幸せだなぁ、なんて
「だって考え事しとるから、俺の事もっと考えてや」
「坂田が好きやなぁって……考えて…ました…」
頭の中では甘い言葉を言う想像なんて何回もしてたのに、口に出してみると少しの騒音で掻き消されてしまう様な声量に恥ずかしさがキャパオーバーしたらしく顔が熱くなるのを感じた。
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もぶ汰(プロフ) - シュークリームさん» ひぇ…有難う御座います…! 励みになります…! あの無邪気な坂田さんがどす黒い独占欲を持っていたら素敵だなという気持ちで書かさせて頂きました() そう言って頂けて凄く嬉しいです! 有難う御座います! (2018年12月2日 22時) (レス) id: c1850b058f (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - このお話凄い好きです!!更新頑張ってください!!最後坂田さんがちょっとヤンデレぽくなってるの好きです!! (2018年12月2日 21時) (レス) id: 69000e4dbc (このIDを非表示/違反報告)
もぶ汰(プロフ) - Mikaduk30632008さん» わわ、有難う御座います! 励みになります、頑張ります…! (2018年11月29日 21時) (レス) id: c1850b058f (このIDを非表示/違反報告)
Mikaduk30632008(プロフ) - お話、めっちゃ好きです。更新、頑張って下さい(*`・ω・)ゞ (2018年11月29日 19時) (レス) id: 7efe66e514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もぶ汰 | 作成日時:2018年7月31日 6時