気持ち19% ページ20
授業は退屈なもので前の席に座っている坂田に至っては机にうつ伏せになって眠っていた、そんなんだから毎回欠点ギリギリなのに、大丈夫なのかという念を込めて前の広い背中を見つめた、まぁ私も板書を写しているだけでそんなに話は聞いてないのだけれど。
センラ君はというと真面目に教科書にラインを引いたり等をしてしっかりと授業に取り組んでいた、見た目は真面目には見えると言い難いもののしっかりと成績も上位で運動も出来るセンラ君は凄いなぁ、なんて心の中で一人感心する。
そんな事を考えている間に授業は終わりあっという間に放課後になる。
「坂田、授業終わったで、帰ろ」
いつも通り坂田に声を掛けて帰ろうと促すと坂田は素直に目を開いて慌てて帰る用意を始める。
「あ、Aちゃんや! こんにちは〜、坂田にちょっと話したい事あるから借りていい?!」
用意をしている坂田の横の席に座り待っていると突然男子に話し掛けられてその言葉に素直に頷く、名前は何だっけ、同じクラスという事は何となくわかった。
「じゃあ先帰るわ、また明日な」
ばいばい、と一声掛けて私は帰る事にした、一人で帰るなんて久しぶりで、いつも賑やかな四人が居るから家に着くまですぐだったけれど今日は何だか長く感じた。
*
「用事って何や」
俺は寝起きな上にAと帰れなかったから不機嫌である事を露骨に出しながら尋ねた、すぐ話切り上げたらまだ間に合う、早く切り上げて追い掛けよ。
友達、と言えるのか分からない表面上の友達とやらに俺は囲まれた、四人位か、覚醒してきた脳が呑気にそんな事を考えていた。
「坂田ってゲーム好きやろ? 俺らと一緒にゲームせえへんか?」
如何にも悪巧みをしている表情で言うものだから俺は間髪入れる事無く断っておいた、コイツろくな事考えへんからな。
「あー、そう じゃあええわ」
俺が断ると俺に興味が無くなったのか急に素っ気ない態度になり話の輪から完全に抜けさせられた、まぁええわ これでAと帰れる、そう思って教室のドアへ向かった時だった。
「賭けせえへんか、女子に告白していつまで続くかっていうやつ! おもろそうやない?」
やっぱ下らん事考えとんな本間コイツ達は、その一人の男に皆は賛同していた、心底やらんで良かった、なんて思っていた。
「まずはな、簡単に付き合える人の方がええやろうからAちゃん辺りはどうや?」
「詳しく教えてや、それ」
こんな事を言われるまでは。
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もぶ汰(プロフ) - シュークリームさん» ひぇ…有難う御座います…! 励みになります…! あの無邪気な坂田さんがどす黒い独占欲を持っていたら素敵だなという気持ちで書かさせて頂きました() そう言って頂けて凄く嬉しいです! 有難う御座います! (2018年12月2日 22時) (レス) id: c1850b058f (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - このお話凄い好きです!!更新頑張ってください!!最後坂田さんがちょっとヤンデレぽくなってるの好きです!! (2018年12月2日 21時) (レス) id: 69000e4dbc (このIDを非表示/違反報告)
もぶ汰(プロフ) - Mikaduk30632008さん» わわ、有難う御座います! 励みになります、頑張ります…! (2018年11月29日 21時) (レス) id: c1850b058f (このIDを非表示/違反報告)
Mikaduk30632008(プロフ) - お話、めっちゃ好きです。更新、頑張って下さい(*`・ω・)ゞ (2018年11月29日 19時) (レス) id: 7efe66e514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もぶ汰 | 作成日時:2018年7月31日 6時