05:ユリ ページ6
▽
「おねーさんは安室さんのこと嫌いなの?」
「へ?」
家が何処かだとかの個人情報を聞かれるのだと思っていたから、拍子抜けして間抜けな声が出る。
なんだ…ドストレートに聞いてくること以外は至って普通の小学生だ。
安堵の息をついて「そんなことないよ、どうしてそう思ったの?」と出来るだけ優しい口調で語りかけた。
ていうかこの子のお姉さんが戻ってきた時私通報されたりしないよね?
声掛け事案にされたりしないよね??未成年が法に守られすぎてて身動き取れないどうしよう。
ま、まあいざとなったら降谷さんも助けてくれるよね!
いやわかんないな自衛しとこ。
「えっとね、お姉さんはいつも……ってなんでそんなに離れていくの」
「自分の身は自分で守らなきゃだから、」
「ちょっとわかんないな僕」
あはは、と互いに苦笑いを浮かべる。
降谷さんさっきから思ってましたけどいつものポーカーフェイスどこに置いてきたんですか。
ぷるぷる震えてるし口元ひくついてるんだけどほんとどうしたうちの上司。
そんな降谷さんを横目に見ながら、目の前の探偵くんの言葉に耳を傾けていた。
「えっとさっきの続きなんだけど…お姉さんいつも安室さんが居ない時に居るでしょ?だから嫌いなのかなって!」
なるほど…あまりにシフトが被らないと怪しまれるのか。と小学生の感じた疑問に納得する。
これからは少しシフトを変更する必要があるかもな。
「えっとね、安室さんは探偵業で忙しいでしょ?その穴埋めに私が呼ばれることが多いんだ!」
「お姉さん暇なんだね!」
「あはは黙って」
「え」
「やっば」
慌てて口を抑える。
ダメだ大和撫子向いてないわ。無理がある。
「んん"っ!コナン君、初対面の大人の人に対してそういう態度は」
「僕名前教えてないよね?」
にこっと愛らしい笑みで首を傾げる。
悪魔だ、この子悪魔だ。
前言撤回普通の子供でも好奇心旺盛な子供でもない悪魔だ!
「もうやだ君嫌い…」
「ねぇ、ちょっと耳貸して?」
「もうなに!」
そして放たれた爆弾発言に思わず目を見開いた。
絶対に知りうることのないトップシークレット。それを危険には程遠い小学生が知っている。
"お姉さん、安室の兄ちゃんと同じ公安警察だよね?"
冷や汗が首筋を伝い心拍数が跳ね上がった。
ダメだ、ここで認めたら降谷さんまで公安警察だということがバレる。
震えそうになる声を落ち着けて、穏やかな微笑みを浮かべて嘘を吐いた。
「なんのことかわかんないなぁ」
降谷さんの言った通りだ。
この子はおぞましいほど恐ろしい。
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壟薇 - 続き楽しみにしてます!!!! (2019年9月1日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
haruno(プロフ) - 明里香さん» ご報告ありがとうございます…!すぐに修正させていただきます! (2019年7月28日 0時) (レス) id: ca8568045c (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 11話に名前変換出来ていない箇所がありました。 (2019年7月28日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
haruno(プロフ) - ゆりんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて光栄です…!今後も楽しんで頂けるよう頑張りますね! (2019年7月20日 19時) (レス) id: ca8568045c (このIDを非表示/違反報告)
ゆりん - 面白いです!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 13時) (レス) id: aa34414ff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:haruno | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月10日 1時