03:アイリス ページ4
▽
結局四時すぎに仕事は終わり、明けきらない夜の中家に帰宅した。
それから少しだけ横になって寝ていると、散歩の時間に猫パンチで起こされる。
君のご主人様お疲れなんだよ今日休みなんだよ察してよ!!
と文句をたれつつも、何だかんだこの子に甘い私はのそりと起き上がった。
やっとかとでも言うように冷たい目で私を見る。ちょっと私家主で君の主人なんだけど??
「降谷さんの嫌がらせのために秀ちゃんって名前付けたの怒ってるの〜?」
私は結構気に入ってるのになぁ、と小さな頭を優しく撫でる。
目を細める姿に、まぁ一時間くらい散歩してもいいかななんて頬が緩んでいた。
その時はまさか降谷さんとエンカウントするとは思っていなかったからだ。
「何やってんですか降谷さん寝ましょうよ!」
「お前も休みのくせに何やってんだ。てか猫って散歩の必要あるのか」
「私は休みだからいいんですよ!定期的にしなきゃこの子ひとりで散歩行くんです…」
過保護気味な私にこの子をひとりで散歩させろとか降谷さんに命令されても無理だ。
というか信じられないなんだこのストイックすぎる人間。
組織の仕事を終えて深夜に登庁してなんで今もうハロちゃんの散歩してんの??
それを言うなら私だってと降谷さんはよく言うけれど、私は精々ダブルフェイスだなんとかなる。気合でいける。
「ほんっと信じらんない降谷さんいつ寝てるんですか」
「…組織の仕事から登庁までは寝た」
「降谷さんそれ仮眠っていうんですけど知ってました?」
罰の悪そうな顔で目を泳がせる降谷さんに、小さくため息をついた。
「降谷さん今日のポアロ出勤は昼からにしてください」
梓さんには伝えておきますし私が代わりに入っときますから。
と付け加えて言うと、降谷さんは眉を寄せて「ダメだ」と言う。
強情だなこの人も!!
こうなったら降谷さんを説得なんてバカバカしいことしてられないから、私は交換条件を提示することにした。
「ポアロ出勤した時にAさんお疲れ様ですってハート付きで言ってください」
「やだ」
「初対面の時みたいにAちゃん呼びしろって言わないだけ良いじゃないですか!」
人の黒歴史を掘り起こすな!と降谷さんが叫び声をあげる。
私にとっては甘酸っぱい初恋の記憶なんですけど〜?乙女の初恋なめてます〜??
「取り敢えず降谷さんは寝ててください!」
そう言って秀ちゃんを抱き上げると、これ以上反論は認めないというように逃げ帰った。
…降谷さんなら私がこう言っても来そうだな〜!!
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壟薇 - 続き楽しみにしてます!!!! (2019年9月1日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
haruno(プロフ) - 明里香さん» ご報告ありがとうございます…!すぐに修正させていただきます! (2019年7月28日 0時) (レス) id: ca8568045c (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 11話に名前変換出来ていない箇所がありました。 (2019年7月28日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
haruno(プロフ) - ゆりんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて光栄です…!今後も楽しんで頂けるよう頑張りますね! (2019年7月20日 19時) (レス) id: ca8568045c (このIDを非表示/違反報告)
ゆりん - 面白いです!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 13時) (レス) id: aa34414ff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:haruno | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月10日 1時