16.主役決定の裏で 泉side ページ17
主役のオーディションをする、南先生は言い
苺ちゃんと由梨と一緒に美術室に行った。
元々私も少女Aに立候補していた。
でも被った時点ですぐやめた。
オーディションで嫌な経験があったから。
声の大きさには自信がある。
唯一自信が持てるところかもしれない、と思うほどに。
普段喋ってる声とは比べ物にならないくらい、大きな声が出せる。
過去にも色んなオーディションを受けた。
声の大きさは私がダントツだった。
でも所詮好きな子選びだった。
誰も演技力も声量も見てない。
どうせ好きな子選びだ。
そう思った私はすぐに他の役に移った。
そんな私が何かできるわけでもなく、オーディションに向かう二人の背中を見ているだけだった。
クラスメート役をやることになった私は、他のクラスメート役の人たちと集まり、話していた。
私はやりたくて役を自ら選んだが、男子はじゃんけんで負けて道具係から移動した人がほとんどだった。
やる気なんて、あるはずもない。
大道具、小道具をやることになった人たちは
「設計図を書いておいて」と言われていたが
何をやればいいんだ、と言わんばかりに雑談に花を咲かせている。
見ていなかったから、本当はしっかりやっていたのかもしれないが、そもそもそんなに時間を取るものでもない。
役者がやれと言われたのは
・番号決め(クラスメートの何番をやるか選ぶ)
・読み合わせ
私はクラスメート2を希望した。
それぞれやりたいのがあったらしく、希望は簡単に通った。
「名前もない、番号で振られる程度の役なんだよなぁ…劇の半分くらいは出てるのに」
などと独り言をぼやく。
まぁ実際名前を言うシーンもないから別にいい。
でも小学校の学習発表会みたい、と思った。
それだけじゃなかった。
台本までも小学校がやる劇の様で。
途中で切っても、そのあとセリフを言う人がいるから大丈夫。みたいな感じで。
そしてとにかく相槌が多い。
「そうだね」「うん」
多すぎる。
邪魔だと思ったセリフは読み合わせの時に相当消した。
クラスメート2のセリフで気になったのは
「私」と書いてあるのと「あたし」と書いてあるところがあっただけ。
まあ気にする程度でもない。
男女どっちがやってもいい様に、とは言ってたけどせめて番号で固定しろよ、と思った。
謎にイライラが溜まってひたすら舌打ちとため息。
シャーペンの先を床に叩きつけるとか。
+++++
泉が書いてくれました!
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花時雨(プロフ) - 翡翠ノ楓さん» 叫ぶ時の定番です。笑 このクラスでは日常茶飯事でした。笑って頂けて嬉しいです^ ^ (2019年7月21日 22時) (レス) id: 707381074e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠ノ楓 - 何故に王様の耳はロバの耳って叫んだんですか…?これ読んだ時腹筋が崩壊するかと思いましたよ… (2019年6月15日 11時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
カモミール。(プロフ) - シトロンさん» 大変失礼いたしました。今後気をつけます。 (2019年1月1日 18時) (レス) id: e321ef376e (このIDを非表示/違反報告)
シトロン - すみません。コメント欄でチャットは止めてください。サーバー落ちしてしまう恐れがあるので、お願いします。 (2019年1月1日 15時) (レス) id: d8371914fb (このIDを非表示/違反報告)
カモミール。(プロフ) - 米野花子さん» ありがとうございます! (2018年12月15日 0時) (レス) id: 3e23062850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花時雨(元カモミール。) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chamomile-7th/
作成日時:2018年11月17日 23時