14. 見送り ページ14
ちょうど退社の時間に、電話が鳴った。
とると、電話の向こうから甘ったるい声が聞こえてきた。
由美さんだ。
胸がズキンとなった。
常務に電話を繋ぐと
シム常務「分かった。今いく」
もう会社まで来てるんだ。
電話を切ると
シム常務「じゃ、俺は帰るぞ。お前も何もなければ帰っていい」
A「はい、お疲れ様でした」
常務を見送り、私も帰る準備をして部屋を出る。
エレベーターまで行くと、まだ常務がそこにいた。
チラッと私を見たが、すぐにエレベーターの階数に目を向けた。
エレベーターが来ると、常務が先に乗りこんで開閉ボタンを押したまま、私が乗るのを待ってくれる。
A「ありがとうございます」
シム常務「ん」
エレベーターの中は２人だけ。
２人だけなんていつものことなのに、密室のせいか変に緊張する。
突然
シム常務「お前のおにぎり、美味かったよ」
A「えっ？」
シム常務「じゃあな、気を付けて帰れよ」
サラッとそんなことを言って、サッと降りて玄関の方に向かう。
常務が歩く先にいるのは由美さんだろう。
ガラス越しに手を振っている女性がいる。
ズルいなぁ・・・
あんな言葉をかけておいて、女の所へいく。
これからホテルへ直行よね。
どう見たって、これからいたしますよって雰囲気を前面に出しているあの女。
はぁ・・・
このまま帰るのは辛いな。
常務の姿を追いながら、ため息をついた。
すると、背後から
「A？何やってるのよ」
A「えっ？」
振り向くと、同期で人事部のマリがいた。
A「今、常務を見送って、私も帰るところ。マリは？」
マリ「私もよ」
答えながら常務の方へ視線を向けた。
マリ「お宅の常務、相変わらずお盛んねぇ。毎日忙しそうなのに、あっちも忙しいってわけね」
A「・・・・・。」
マリは、何か気づいたようで
マリ「あれ？あの人・・・ちょっとAに似てない？」
A「えっ？まさか」
マリ「似てるわよ。ほら」
A「似てないよ。あんなに色気はないもん」
マリ「色気はないけど、ちょっとした表情が・・・あ、でも、笑った顔は全然違うか」
それには答えず、じっと常務と女を見つめている私に
マリ「ねぇ、これから飲みにいかない？たまにはうるさい男共を排除してさ」
A「うん、いいね！」
飲みたい気分だった。
1人にはなりたくなかった。
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アイラ(プロフ) - お疲れ様でした。久しぶりなので 最初から読み返します！楽しみ＼(^o^)／ (2019年9月19日 1時) (
レス) id: 91caf3041c (このIDを非表示/違反報告)
マミン(プロフ) - またシム家の仲間たちの続編見たいなーって何年たっても思います^_^ (2018年11月27日 22時) (レス) id: 0cd15f1a61 (このIDを非表示/違反報告)
jumpana(プロフ) - えー！ ちゃみゆうさんだったのですか！（今頃 (^◇^;) ）本当に嬉しい驚きです。最近、ずっとそばに…を読み返していたところだったので、本当にびっくり。私の癒しです。今回も、本当に最高でした。 (2018年10月1日 23時) (レス) id: e8772f8a7c (このIDを非表示/違反報告)
makimaki(プロフ) - ゆうさん» またまた読み返して来ちゃいました(^^♪常務チャンミン最高だったぁ(((^-^)))再度！ありがとうございましたぁ(^O^) (2018年9月23日 23時) (レス) id: 15860040e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - makimakiさん» 楽しんでくれましたか。良かった！ありがとうございました！ (2018年9月23日 16時) (レス) id: 9fc478c7b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2018年1月9日 23時
