12. お袋の味 ページ12
常務の後ろ姿を見送りながら
また、ああやって心に蓋をする・・・
常務の心の中は闇。
その闇に光を灯すのは私。
そう勝手に思うことにして、私は私で、常務の前ではポジティブ女でいよう！
会議を終えて帰ってきた常務は、今日も昼食の時間になってもデスクから離れず、
じっと書類に目を通している。
ちょっと怖いけど、
よし！行くぞ！
気合を入れて心の中で言ってみたものの、
A「常務、あのぉ・・よろしかったらおにぎり・・・召し上がりませんか？」
弱弱しい言い回しになった。
作ってきたおにぎりをおずおずと見せると、
常務はギョッとなって、
シム常務「お前そんなに食うのか？」
ビックリした顔をして言った。
A「最近お腹が空いて空いて・・・」
シム常務「はぁ？！」
A「私、今育ち盛りのようで、合間にも食べようと思って多めに作ってきたんです」
無理矢理な言い訳かと思ったけど
シム常務「ぷっ(笑)」
あっ、笑った！
シム常務「育ち盛り？もう十分育ってるだろうが、色んな所が」
そう言って、私の身体を見た。
A「じょ、常務！それはセクハラです！」
シム常務「どこがセクハラだよ、色んな所と言っただけだぞ」
ニヤリと笑って、私の手の中からおにぎりを取った。
ああ、そのニヤリとした顔も好きだなぁ。
色気があって、その顔で見つめられると、身体に電流が走るみたいになる。
ダメだなぁ、私。
相当好きかも・・・
ジッと常務を見ていると、おにぎりを一口食べて止まった。
A「？？？」
シム常務「懐かしい味がする」
A「えっ」
シム常務「お袋を思い出す」
A「お母さま？」
シム常務「ああ、昔お袋は、学校から腹を空かして帰ってくる俺の為に、おにぎりを作っておいてくれてた。それと同じ味だ」
A「・・・・・。」
シム常務「もう死んでいないが」
A「・・・・・。」
何て言えばいいんだろう。
いつお亡くなりになったんですか？なんて、初めて聞いたふりをして、
白々しく聞くことは、私にはできない。
でも、何か言わなきゃ。
咄嗟に選んだ言葉は
A「また作ってきていいですか？」
シム常務「はっ？」
A「あっ、い、いえ、何でもございません！押しつけがましいことを言って申し訳ありませんでした」
うわっ！
また変なこと言っちゃった！
あ〜、バカバカ！
私のバカ！
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アイラ(プロフ) - お疲れ様でした。久しぶりなので 最初から読み返します！楽しみ＼(^o^)／ (2019年9月19日 1時) (
レス) id: 91caf3041c (このIDを非表示/違反報告)
マミン(プロフ) - またシム家の仲間たちの続編見たいなーって何年たっても思います^_^ (2018年11月27日 22時) (レス) id: 0cd15f1a61 (このIDを非表示/違反報告)
jumpana(プロフ) - えー！ ちゃみゆうさんだったのですか！（今頃 (^◇^;) ）本当に嬉しい驚きです。最近、ずっとそばに…を読み返していたところだったので、本当にびっくり。私の癒しです。今回も、本当に最高でした。 (2018年10月1日 23時) (レス) id: e8772f8a7c (このIDを非表示/違反報告)
makimaki(プロフ) - ゆうさん» またまた読み返して来ちゃいました(^^♪常務チャンミン最高だったぁ(((^-^)))再度！ありがとうございましたぁ(^O^) (2018年9月23日 23時) (レス) id: 15860040e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - makimakiさん» 楽しんでくれましたか。良かった！ありがとうございました！ (2018年9月23日 16時) (レス) id: 9fc478c7b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2018年1月9日 23時
