３６．止まらない涙 ページ36
いつもは見せない優しい顔で、そんなこと言うなんて・・・
今、そんなに優しく笑ったら・・・
今、そんな優しい言葉をかけられたら・・・
ダメ・・・
ズルいよ。
何でもない言葉が、私の今まで我慢していた何かを
プツンと切れさせた。
自分の意志ではないのに、
ポロポロと涙が溢れてきた。
シム常務「えっ・・・」
私の涙に驚いて
シム常務「どうした？えっ？何だよ。俺、何か変なこと言ったか？」
違う
そう言いたかったのに、
とめどなく涙がこぼれて
シム常務「どうしたんだよ」
焦る常務。
言葉が出ない代わりに、頭を横に振って違うと訴えた。
健ちゃんと別れた時に、一滴も出なかった涙が
どうしてこんなに出てくるの？
A「うわーーん(泣)」
シム常務「おいおい」
珍しく常務が困っている。
シム常務「しかたねぇな。香月、来い」
常務はタクシーを止め、私を乗せ、後から常務も乗り込んだ。
運転手は、泣いている私を見てギョッとしている。
シム常務「犯罪じゃねぇからな。勘違いすんな。俺の女だ」
そんなことを言っているのは聞こえたが、
行先までは聞こえなかった。
なのに、俺の女だという言葉だけは、
ずっと耳に残っていた。
咄嗟の判断で言った言葉なのに、
何故かその言葉が、強く逞しく、そして優しく守られているように、
自分だけがそう感じた。
健ちゃんからは、そんな言葉聞いたことはなかった。
当たり前だ。
そんな言葉を言うようなシーンもなかった。
そういえば、こうやって、
グイグイ引っ張ってくれたこともなかった。
シム常務「着いたぞ、降りろ」
まだグズグズ泣いている私の肩を抱いて、
どこか知らない所でタクシーから降り、
知らない場所へ連れていかれた。
不安とかそんなものはなかった。
常務をいつの間にか信頼していたのかも。
そして、
自分はこの人についていけば大丈夫という、
安心感があった。
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ゆう - あくびちゃん、初めまして。一気読みですか？ありがとうございます！面白いと思っていただけて嬉しいです！ノロノロ更新で申し訳ないですけど、ノロノロ頑張りますので次章も宜しくお願いします (2018年1月9日 23時) (
レス) id: d062efd005 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 美ゆちゃん、大変大変お待たせしました〜。専務がなんと？！これからが大変です〜、書いてる私も（爆） (2018年1月9日 23時) (レス) id: d062efd005 (このIDを非表示/違反報告)
あくび(プロフ) - 初めまして。面白くて一気に読んでしまいました。続き楽しみにしています。 (2018年1月3日 21時) (レス) id: ab9fabd63b (このIDを非表示/違反報告)
美ゆ(プロフ) - 専務気になりますねー。そして私も…ホテルとか予約するのキツいな。。。はいー。待ってます。 (2017年12月21日 0時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - りんちゃん、う〜ん、この先、まだまだ色々ありそうな予感大です・・・でもヒロインちゃんは一生懸命な子なので、何とかしてあげたいんだけど、悪魔な私がまだダメって言ってるので’（笑） (2017年12月20日 23時) (レス) id: d062efd005 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2017年8月30日 23時
