王女の男 −JK− 第二章

なおも消えぬ対抗心　(MN) ページ34

もう何もかも終わった…


私が失った物は多すぎる


愛するジョングクも…
王の娘である自分自身も…
公主の位も…
そしてオモニも…


心はもはや修復不可能



A「憎いに決まっておる
私の大切なオモニの命を奪った者の娘なのだからな…
それにこれまでお前からされてきた事を考えると憎むなと言う方が無理だ」


「やはりそうなのか？
王妃様が元王妃様のお命を…？」


A「そのようだ…」



我がオモニながら本当に恐ろしい



A「残念ながらお前は王妃様によく似ておる
王妃様を反面教師としチェ内官の元でこれまでの人生を振り返り一から生き直すと良い」


「お前などに言われなくともそうする
私は絶対に王妃様のようにはならぬ」


A「なりかけておったくせに…」



悔しくて堪らない
この期に及んでもまだAへの対抗心が消えない



「翁主…
私から何もかもを奪って満足か？
でも私からは奪えぬ物が一つだけある」


A「そうなのか？」



余裕の微笑み…？
何故だ…？



「ジョングクとは絶対に離婚はせぬ」


A「離婚…？」



Aとジョングクは同じ表情を見せた
私をバカにしているかのような表情…



JK「公主様…
例え望んでも俺たちは離婚は出来ません」


「私と離婚したくないという事か…？」



そんなはずないと分かりつつも一縷の望みに縋りたい



JK「そうではありません
俺たちは入籍をしていない
だから離婚なんて出来るはずがないんです」


「嘘を申すな！」


JK「嘘ではありません」


「どういう事だ…？」


JK「王様が手を回しそうして下さったのです」


「王様が…」


JK「はい
だから俺たちは初めから何の関わりもない者同士…」


「私にはもうお前を縛る術は何もないという事なのだな…？」


JK「初めからそんな物は何一つ存在しなかったという事です」


「お前は本当にそれで幸せなのか…？
お前が愛している翁主とジンが体を重ねても平気なのか？
私の元におれば私を独占出来るのだぞ？」


JK「俺のそばに居てくれるのがAとジンでなければ意味がないんです」



ジョングクは背後で抱きしめ合う2人を見て優しく微笑んでいる



JN「ねぇA…？」


A「何？」


JN「キスして…？」


A「いいよ？
ジン…目を閉じて？」



翁主は躊躇う事なくジンの頬にキスを落とした



JN「口が良かった…」


A「それは2人だけの時にね？」



微笑み合った2人を見てもジョングクは何も感じぬと言うのか…？
理解出来ぬ

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