王女の男 −JK− 第二章

敵を欺くにはまず味方から　2　(You) ページ12

王様の話を聞いているうちに涙は止まっていた
きっと驚き過ぎたせいだ



王「何も心配せず私に任せておくのだ」



そうは言われても簡単な事だとは思えない



世子「ですが王妃が廃妃となれば自ずとミニョとAの事も騒がれてしまうのでは…？」


王「王妃は廃妃にはせぬ
だから騒がれる事はない」


世子「え…？」


王「王妃は私の死後もこの王宮に留まらせる
それが王妃にとっては何よりの罰となるであろうからな…
それを見届けるのが次期王であるお前の役目だ
良いか…世子？
廃位にするのは公主であるミニョだけだ
勿論この事は何があっても公にはしてはならぬ」


世子「ミニョだけを廃位に…？」


王「そうだ
ミニョがAにしてきた事は何があっても許される事ではない
それ故ミニョを廃位としAを公主の座に戻してやるのだ」


世子「ですがそれでは王妃もミニョも黙っておらぬのでは…？」


王「ミニョは関してはチェ内官の手に託すつもりでおる」


世子「チェ内官でございますか…？」


王「そうだ
ミニョには実の父であるチェ内官と共に外の世界で暮らしてもらう
いずれチェ内官と共に海外に行かせるつもりでもうその手筈は整っておる
実はチェ内官はずっと私のそばにおったのだ」


チョン内官「え！？」



王様の側近であるチョン内官すら知らなかった…？



王「これもまた敵を欺くにはまず味方から…だ
だからチョン内官…悪く思うな？」


チョン内官「王様…」



チョン内官は本当に知らなかったようで苦笑いを浮かべている



王「チェ内官はここを去る前に私に許しを請いに来たのだ
罪深き自分自身の事を許せなかったのであろう
その際私への絶対服従を誓わせ罪を問う事なく外の世界に出してやったのだ
そして外で暮らすAを見守る命を下した
王妃からもAを見張るよう命じたられたようだがチェ内官は王妃に従うふりをしてくれたのだ」


チョン内官「そうだったのですね…」


王「チェ内官はAとジョングクがお互いを想い合っている事に気付いていたようだ
ジョングクよ…
一度だけAの部屋に泊まった事があったそうだな？」


JK「はい…
申し訳ありません」


王「責めている訳ではない
それを知ってもチェ内官は2人の関係は親友でありそれ以上でもそれ以下でもないと王妃に報告し続けてくれたのだ
チェ内官は私たちにとって心強い味方の1人という事だ…」



王様は相当な策士だったらしい

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