Fate’s Smile -Yunho-

約束　(you) ページ6

私の意識はユノさんの中に存在する
そして聴覚と視覚はユノさんの物を共有…


だけどユノさんが考えている事は分からないしユノさんが見る夢は共有出来ないんだ
だから不安だった
今夜ユノさんがどんな夢を見るのか…


目が覚めるとユノさんはまだ寝ているのか私は真っ暗闇の中に居て…
それがまるで私の体の今を表しているかのようで不安が募る


それに耐えかねてユノさんに声をかけると暗闇に光が差し込んだ



ユノ「ん…もう朝なの…？」


「起こしちゃってごめんなさい」


ユノ「ううん
Aさんはよく眠れた？」


「はい」


ユノ「そっか…
俺もよく眠れた」



いつもと変わらぬ穏やかな口調に安堵しつつも不安は拭い去れない


起き上がったユノさんは姿見鏡の前に立つと優しく微笑んで…
それはきっと私に向けてくれた物なのだろうと感じた
心配要らないと…


その後ユノさんは準備をして仕事に出かけた
勿論仕事中は会話を交わせないからユノさんが見聞きしている世界を楽しむ



チャミ「ヒョン？
おはようございます」



チャンミンさんに会うのはこれで何度目だろう？
ま…会うとは言っても一方的にだけど…



ユノ「あ〜チャンミン
おはよう」


チャミ「あの…
今朝のメールの話は事実なんですか？」


ユノ「うん
信じてもらえないかも知れないけど事実なんだ」



何の話？
韓国語だから全く分からない



チャミ「そうですか…
分かりました
俺に出来る事があれば協力するので遠慮なく言ってくださいね？」


ユノ「うん…ありがと」



ユノさんがお礼を言った事だけは理解出来た


その後も2人は何かを話していたけどその全ても当然韓国語で…
こんな事になるのなら勉強しておけば良かったと後悔する


そして帰宅後…
ユノさんは車で汝矣島に出かけた


そこに繰り広がる光景に思わず息を飲む



「綺麗…」


ユノ「でしょ？
どうしてもこのイルミネーションをAさんに見せてあげかったんだ」



クリスマス仕様の美しいイルミネーションの世界…
優しすぎるユノさんの言葉…


感動で涙が溢れそうだ
だけど今の私には涙を流す事すら出来ない



ユノ「来年のクリスマスも一緒に見に来よう？」



私にも来年のクリスマスが訪れるの？
きっと訪れない…



ユノ「心配しないで？
来年も必ずこの場所に連れて来てあげる」


「はい…」


ユノ「ちゃんと予定空けといてね？
約束だよ？」


「はい」



果たされる事のないであろう約束は哀愁だけを生むんだと知った日…

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