落胆 (yunho) ページ5
こんなにも眠る事を怖いと感じた夜はない
それはAさんも同じなのかベッドに入ると全く言葉を発しなくなった
それでも目を閉じてたら眠りの世界に引き込まれ…
無機質な機械音が響く白基調の部屋でAさんは眠ってたんだ
想像してた通りの夢…
だけど酷く落胆した
眠っているAさんの横には白衣を着た女性が座ってて…
その人はAさんの手を握って泣きそうな表情を見せてた
暫くして医師らしき男性が現れた
医師「ミナちゃん…
この前の話…考えてみてくれた？」
ミナ「はい
私だって看護師なので今の姉の状態は理解しているんです
それでも私は一縷の望みにかけてみたくて…」
医師「うん…
だけどこのまま生命維持装置によって生かされ続けてA主任は幸せなのかな？
脳死状態になったら臓器提供したいと書かれた意思表示カードが見つかったんだし…」
ミナ「はい…
だけど私は…」
医師「1人ぼっちになるのが怖いか？」
ミナ「両親が事故で亡くなった後姉は必死で働いて私を育ててくれたんです
それなのに私は何も恩返しが出来てなくて…
ここで私が諦めて姉を失ったら後悔だけが残るんです
姉の夢を叶えてあげたかったのに…」
医師「A主任の夢って何だったのかな？」
ミナ「ある男性と出会って…恋愛して…
その人と幸せな家庭を築く事です」
医師「そうか…
A主任は結婚に興味ないのかと思ってたから意外だな」
ミナ「姉は一途なだけなんです」
Aさんから一途に想われてる男が心底羨ましい
医師「その男性はそんなに素敵な人なのか？」
ミナ「実は姉には化石って言っちゃってたんですけど…
物凄く素敵な人なんです
先生は東方神起という韓国のアイドルグループを知ってますか？」
医師「残念ながらおじいちゃんの私には分からんなぁ…」
ミナ「そうですか…
姉はその東方神起のユノさんに一筋なんです」
俺…？
Aさんの夢を叶えるためには俺が必要なんだ
医師「そうだったのか…
出会わせてあげたかったな…」
ミナ「はい…」
俺たちは間違いなく出会った
だけどAさんのその後の夢を叶えてあげる術はない
もどかしくて…悔しくて…
胸が締め付けられる
ミナ「先生…
どうかもう少しだけ時間をください
姉にもう少しだけユノさんと同じ世界で生きる時間を与えてあげたいんです」
Aさんに残された時間が少ないのだとしたら…
片時もAさんの意識のそばを離れたりはしない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
waka(プロフ) - 目覚めてよかった！！それにしても爺さん婆さん酷すぎ！！！！ユノ素敵💕 (2022年5月23日 10時) (
レス) @page40 id: 192bfaab8b (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 奇跡いいね。良き良き(笑)。ユノに嫁いでソウル在住いいわ〜。夢ならなんぼ見てもいいでしょ？(笑) (2021年11月10日 23時) (レス) @page40 id: 2a368a7c48 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ここまで一気に読んできました。ユノ〜改めて男前！爺婆の撃退はスカッとしたわ (2021年11月6日 9時) (レス) @page40 id: 27a93b8085 (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - ゆきさん» こちらこそお読みいただいてとても嬉しいです。続きもよろしくお願いします。 (2021年11月5日 23時) (レス) id: 7196fdcd67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 久しぶりに、読むことができて嬉しいです。楽しませてもらいまさした。また、続きを待ってます。 (2021年11月5日 22時) (レス) id: e0cbb3113d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソル
| 作成日時：2021年10月26日 1時
