Fate’s Smile -Yunho-

飴と鞭　(you) ページ19

言葉が上手く出ない私のためにミナが準備してくれたのはタブレット


辛うじて手は動かせるから伝えたい事をタブレットに打ち込めとの指令が下ったんだ
リハビリにもなるからってね…



ミナ「で？
どうしてユノさんに知らせたくないの？
はい！早く打つ！」



せっかちミナは私の前にタブレットを設置し腕組みをした



『リハビリを頑張って約束の日に会いに行って驚かせたいの
だから知らせないで』


ミナ「約束の日っていつなの？
はい！打つ！」



長い眠りから目覚めたばかりの姉に容赦なく鞭打つ妹が恨めしい



『クリスマス
一緒に汝矣島に行く約束をしてる』


ミナ「じゃあ残り約2ヶ月か…
各国の入出国制限は徐々に緩和され始めてるからその頃の渡韓は問題ないとして…
問題はA姉の体だね」



うん…と頷くとミナはふっと笑った



ミナ「リハビリの先生にスパルタでお願いしますって言っとくわ
ま…もしそれまでに歩ける状態までいけなかったとしても私が連れてってあげるから心配しなくていいよ
でも手は抜かないでよね！？」


「わか…た
あり…がと」



何とか言葉を紡ぐとミナはサムズアップで笑顔を見せてくれた
飴と鞭を上手く使い分けるミナはほんと出来た子だと思う



ミナ「そうと決まったらクリスマス前後の休み希望申請しないと〜
事情が事情だからきっと通るよね！？
って事は今年はソウルでクリスマス！？
いやっほ〜い！」



妙なテンションのミナを見て自力で行けるように頑張ろうと心に誓った
そもそも病棟では下っ端のミナの休み希望が通るとは思えないし…


その後私の協力者となってくれたミナはユノさんに嘘をつき続けてくれて…
私は真剣にリハビリに取り組んだ


そして12月に入ると自力歩行もだいぶ安定し世間的にも海外への旅行も可能になって…
主治医からも渡韓の許可が下りた


結局休み希望が通らなかったミナが渋々ながらも私の渡韓の準備をしてくれて…
待ちに待ったその日を迎える事が出来た


もう直ぐ会える…

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