Fate’s Smile -Yunho-

君が好き　(yunho) ページ16

何故こんなにも心惹かれたのかはよく分からない
だけど今の俺にとってのAさんは間違いなくかけがえのない存在になってて…
その事実さえあれば理由なんてどうでもいい



「もし君を失ってしまったら…」



自分の口を突いて出た言葉に答えなんてなくて…
その後の俺はどうなってしまうのだろう…？って思いを巡らす


君が居ないくても生きていく事は出来るだろう
今までだって君無しで生きて来られたんだから…


だけどきっと心から笑う事なんて出来なくなるだろう
そんなの生きていないのと同じ…



「助けて…Aさん…」



再び溢れ出てしまった涙はまたAさんの手の甲を濡らし…
それに反応するかのようにAさんの手が微かに動いた気がした



「Aさん…
俺はAさんの事が好きで堪らないんだ」



もしAさんに聞こえていたら照れくさいからって今まで『君』って表現してたのに…
とうとう名前を出してしまった


もういいや…



「もう一度奇跡を起こして…？
それでさ…2人で一緒に夢を叶えよう？」



目覚めた事を後悔させたりはしない
何があっても絶対に…


これまでの君が俺に一途だったと言うのなら…
この先は俺が君を一途に愛すると誓う



「俺の気持ちが迷惑だったらごめんね？
だけど何度でも伝えておきたいから聞いて？
Aさん…
俺は君の事が大好きです…」



Aさんの手を握りしめたまま目を閉じ…
Aさんに聞こえている事を強く願う



その後毎日好きだと伝え続け…
だけど大きな変化もないまま無情にも帰国の日を迎えてしまったんだ


唯一の救いはAさんに回復の兆しが見えた事で脳死判定が覆りミナさんが辛い決断をせずに済んだ事…

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