Fate’s Smile -Yunho-

祖父母？　(you) ページ31

2人がここに来た訳が徐々に見え始めると心は落ちて行った


母は国内有数の名家の娘だったようだ


大学で父と出会い恋に落ち…
2人はお互いの両親の反対を押し切って駆け落ちし結婚して私たちが生まれた


母には弟が居たらしく跡取りの心配がなかった祖父母は母を捜さなかった
だけど母の弟は生まれつき体が弱く結婚も出来ないまま半年前に他界してしまったらしい


その事で跡取りを失った祖父母はやっと母の行方を捜し始めて娘の死を知る
その過程で私達姉妹の存在を知ったとの事


まさか興信所の人間に調べられていたなんて…
この上ない程ショックだった



祖父「興信所からの報告では君たち姉妹は2人共独身との事だったが間違いないかね？」


「はい…
ですが私には婚約者が…」


祖父「それなら心配しなくていい
手切れ金はこちらで準備する」


「え…？」


祖母「その方とちゃんと別れたら韓国有数の財閥の次男坊と結婚してもらうわ」


祖父「先方とは今後業務提携をする予定でな…
次男をこちらの婿にくれる事になってるからお前は東京を離れる必要もない上に今後は何不自由ない生活が送れるんだ
何しろ我がグループの財産の全てがいずれお前の物になるのだからな」


祖母「これ以上ない程のいい話でしょ？
感謝してちょうだいね？」



何不自由ない生活…？
冗談でしょ？



「申し訳ありませんがお断り致します」


祖父「正気か？」


祖母「何が不満なの！？」


「彼が居ない生活を送る事が不満なんです」


祖母「可哀相に…何も分かってないのね…
貧乏な男と結婚したって幸せにはなれないの
現に美奈子は不幸になったでしょ？」


祖父「世の中金が全てだ
ま…その男が富も名声も手に入れているとでも言うのなら諦めなくもないがな」


祖母「フフ
あり得ないでしょうけどね…」



嘲笑うかのような2人…


優しくていつも笑顔だった母の両親だとは思えない
自分の祖父母なのかと思うとぞっとするし吐き気がする

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