Fate’s Smile -Yunho-

晴れない心　(you) ページ12

ユノさんは私の夢を知ってる？
その上で私と交わした約束を果たそうとしてくれているの？


とにかくその気持ちだけで十分だと思えた


『ありがとう』
そう心の中で呟いてみたけど勿論ユノさんには届かない



ミナ「それにしても強行突破とか…
ユノさんは随分危ない橋を渡りましたね」


ユノ「確かにそうですね
我ながら大胆な事をしたと思います
だけどどうしてもAさんに会いたかったのでとにかく無我夢中で…」


ミナ「そうですか…
だけどごめんなさい
これが姉との最後の面会になるかも知れません…」



ミナが決断を下す日はそう遠くはないのだろう
脳死判定された私をこのままにしておく事が難しいのはミナが一番よく分かってるはずだ



ユノ「そんなの嫌です
Aさんがこうなってしまったのは僕のせいで…
だから何があっても僕は諦めたくないんです
Aさんのためにも…自分のためにも…」



ユノさんの言葉を聞いて気付く
今私が諦めてしまったらユノさんは一生苦しむ事になるのだと…



ユノ「ミナさんが窮地に立たされている事はよく理解しています
だけど僕に1ヶ月だけ時間をくれませんか…？」


ミナ「1ヶ月…？」


ユノ「はい
今日から約1ヶ月間は仕事で東京に滞在するんです
だからその間に必ず何かを変えてみせると約束します」



ミナは返答に困っているのか暫く沈黙が続いた



ミナ「分かりました
だけどタイムリミットは1ヶ月後
それ以上は無理です」


ユノ「はい
ありがとうございます」



その後ユノさんは帰って行った



ミナ「A姉はユノさんにどんな魔法をかけたの？
ユノさんはまるでA姉の事を愛しているみたいだった」



魔法なんて使える訳ないじゃん…
それに愛されてる訳もないよ



ミナ「もし本当にユノさんの中に居たんだとしたらさ…
ますます惚れ直したんじゃないの？」



そうだね…
前よりずっと好きになったよ？
人ってこんなにも誰かの事を愛せるみたい
ミナ…お姉ちゃんは知らなかったよ…



ミナ「もうそろそろ目を覚ましてみたら？
そうすればユノさんがA姉の夢を全部叶えてくれるんだってよ？
つまりユノさんの嫁になるビッグチャンス到来って事！
逃す手はないんじゃないかな〜」



ミナのおどけた口調に安堵しつつも心は晴れず曇ったままだ
それでもまた『生きたい』と強く願っている自分が確かに存在した

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