スローモーション6・・kei.i・・

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増「泣きなよ、もっと」







増「悲しいってちゃんと、言わなきゃだめだよ…！」







A「……！」







彼の言葉にはっとした。目を逸らしていた気持ちと、向き合わなくちゃいない時が来たんだと思った。




だけど私は、彼の言葉に大きく、首を横に振った。





A「できないよ……！」





本当は怖かったんだ。







A「そんなことしたら私、」




彼がいないことと向き合うことも、それを受け入れることも。




A「壊れちゃうよ……！」








抱き締められた腕の力が、ぎゅ、と強くなった。









増「…俺がいるよ」






増「Aちゃんがどんなになったって、ずっと、俺が側にいるから、」




彼の言葉の最後の方が、ほんの少し震えていた。





増「だから、お願いだから、泣いてよ…！」





A「っ……、」




.





『離れても、ずーっと一緒だよ』

いつか、慧くんはそんな風に言って、笑っていたっけ。




.





離れてもずっと、あなたを好きでいることを、



気持ちだけは、側にいることを、




許してくれますか？





.








心にじわりと広がっていた穴を、やっと見つめることが出来たような気がした。



1度流れ出した気持ちは、止まることなく流れ続けた。



あったかい腕は、ずっとずっと、それが止まるまで私を、抱きしめていた。

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