検索窓
今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:270,316 hit

225 ページ4

〜♪






しぃんとした廊下に、着信音が響く。
…慧くんからだ。








A「ごめん増田くん、私……行かなくちゃ、」



きちんとありがとうも言っていないのに、その場を去ろうとした。


その時の私は、今にも千切れそうな恋の糸を繋げておくことにただ、必死で。







増「ねぇ、」






去ろうとする私の手を、増田くんが握った。
掌からじんわりと伝わる温度はいつも、あたたかい。






増「このこと、あいつは知ってるんだよね?」






A「……。」









痛いところを突かれてしまった、と思った。








増「言ってないの?」








何も言えなくて、黙って頷く。







増「どうして…!」



A「それは….、」






その先を言い淀んでいる私に、彼は続けた。








増「俺もう黙って見ていられないよ」







意志の強い瞳が真っ直ぐに私を見る。







増「今だって、俺が来てなかったらどうなってたかわかってる?」




それくらい、よくわかってる。
ついさっきの出来事を思い出して、心臓がぎゅ、っと掴まれたみたいに苦しい。
じわり、と視界が滲み始めて、握られた掌に力が入った。







増「このことちゃんとあいつに話して、なんとかしてもらった方が…」


A「いいの…」


増「え?」







反射的に話し始めたら、止めようと思ったのに、止められなくなった。









A「私が相手にしなければいいの…そうすれば大事にならないし、そのうち全部終わる…!」








言葉と一緒に涙も溢れて止められない。









A「私のせいで慧くんに迷惑がかかるのは嫌なの…!私さえ我慢すればいいことなの!」









慧「A?」









聞き慣れた大好きな声がした。
はっとして、顔を上げる。
握っていた増田くんの手を、思わずぱっと離した。








慧「どうしたの…?」






.







空はすっかりオレンジの色に染まって、西日が優しく廊下に降り注いでいた。

移行しました→←224



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (381 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1043人がお気に入り
設定タグ:伊野尾慧 , Hey!Say!JUMP , NEWS   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆい(プロフ) - 通知が来て、久しぶりに読み返しました。lastがとてもきになります。どうか公開またはパスワードを教えていただけないでしょうか?? (2019年1月18日 22時) (レス) id: bc8f1d224d (このIDを非表示/違反報告)
ルナ#(プロフ) - last読みたいです。パスワード教えてください。お願いします。 (2017年3月26日 16時) (レス) id: 010ac9b730 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 最終回だけパスワードかかってるんですか?あとで外れるんですか? (2017年3月26日 15時) (レス) id: 20501953db (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - スローモーションのlastのパスワードを教えてください!!お願いします!! (2017年3月26日 15時) (レス) id: ef8cab0c4e (このIDを非表示/違反報告)
志田梨奈(プロフ) - この作品のラストですが、パスワードを教えて頂きたいです。よろしくお願いします (2017年3月26日 15時) (レス) id: ff46e8fc7c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちゃみ | 作成日時:2017年2月5日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。