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手「うわ、どうしたの、」
私の涙に気付いた手越先生が言った。
A「すみません、ちょっとここで…休んでもいいですか?」
しばらく私の顔を見つめていた彼は、何も聞かないで、にっこり笑った。
手「いくらでもどうぞ、」
良かった。今はどうしても1人になりたくなかった。
言葉に甘えて、革張りのベンチに腰掛けた。
.
手「コーヒー、は飲まないか…ココアでいい?」
A「あ、大丈夫です、お構いなく…」
手「高校生のくせに遠慮しないの」
手越先生はふわ、と笑って、あったかいココアを淹れてくれた。
手「はいどうぞ。ごめんね、俺今ちょっと残業終わらなくて、」
A「あ…いいんです、ちょっと休んだら…帰るから、」
手「こんな真っ暗なのに1人で帰せないでしょ、こんな可愛い子。送ってくよ、」
あったかい掌が私の頭を撫でた。
不思議と気持ちが落ち着いていく。
.
手「…左手、せっかく治ったのに今度は右手?」
A「え、」
手「6月だったっけ?骨折したの…今日はあの時の彼氏と一緒じゃないんだね、」
覚えててくれたんだ。
あの日…慧くんとここに来た日のこと。
A「違います、彼はそういうんじゃ、」
手「隠さなくていいよ、」
手越先生がくすくす笑った。
手「少なくともね、俺と大野先生と櫻井先生は知ってるから」
A「え…?」
手「あ、櫻井先生が言ってたよ。俺の授業でいちゃいちゃするのもほどほどに、って」
……!
手「あれ、やば、これ言っちゃダメなやつだったかも」
手越先生が笑いながら口を抑えた。
…バレてたのか…。
私の様子を気にかけてくれた大野先生の優しさを思い出した。
そういえば夏に、課題を渡してって頼まれたっけ。
あの時はもう、気付かれていたのかな。
手「さっきね、まっすーが来たのよ。あ、まっすーわかる?サッカー部の」
A「…?わかります」
手「そう…そのまっすーがね、ここに来て俺に言うのよ、『あとで1人女の子がここに来るかもしれないから、先生帰らないで待ってて』って。理由聞いても絶対教えてくれなくてさ」
A「そう、だったんですか…」
ほら、また。
増田くんは、どんな時だって助けてくれるんだ。
ねぇ、どうして?
視界がじわっと滲む。
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ゆい(プロフ) - 通知が来て、久しぶりに読み返しました。lastがとてもきになります。どうか公開またはパスワードを教えていただけないでしょうか?? (2019年1月18日 22時) (レス) id: bc8f1d224d (このIDを非表示/違反報告)
ルナ#(プロフ) - last読みたいです。パスワード教えてください。お願いします。 (2017年3月26日 16時) (レス) id: 010ac9b730 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 最終回だけパスワードかかってるんですか?あとで外れるんですか? (2017年3月26日 15時) (レス) id: 20501953db (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - スローモーションのlastのパスワードを教えてください!!お願いします!! (2017年3月26日 15時) (レス) id: ef8cab0c4e (このIDを非表示/違反報告)
志田梨奈(プロフ) - この作品のラストですが、パスワードを教えて頂きたいです。よろしくお願いします (2017年3月26日 15時) (レス) id: ff46e8fc7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2017年2月5日 18時