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涼介はそのまま私の手を引いてカウンターの端っこに座らせ、ウーロン茶の入ったグラスを2つ持ってきた。
A「急に何ぃ。皆見てたじゃん!」
涼介「見られてまずいことある?」
A「…ない、けど、パパに知られたらちょっと恥ずかしい」
涼介「ふは、薮ちゃんもう記憶ないと思うよ」
ちらりとパパのいる席を見たら、地元の幼馴染の人たちとカナさんの輪に、なぜか裕翔くんも入ってみんなだいぶいい感じになっていた。
A「うわ、ほんとだ…帰りどうしよ」
涼介「カナさんに任せときゃいーじゃん。嫁なんだから」
A「はっ、そうだった!やったー!楽ちんだ!」
涼介「っつーかお前な」
ずい、と涼介の顔がこちらに近付いて、片手が再びきゅ、と握られた。
いやちょっと、いくらお店の端っことはいえ思いっきり手繋いでるじゃん、と思わず振り返る。
とりあえずみんなそれぞれの場所で酔っ払っているので、気付かれてはなさそうだったけれど。
涼介「隙あり過ぎなんだけど。何これ以上酔っぱらおうとしてんの?」
A「えぇ?隙なんてないよ私。今なら背後からスナイパーに襲われても、いった!」
後頭部をスコーンと小突かれた。思わず振り返ったけど誰もいない。と思ったら隣で涼介が楽しそうに笑っている。
涼介「隙のかたまりだわ」
A「いたい…」
涼介「あーごめんごめん、ちょっと強かった」
A「ちょっとじゃない〜!」
むぅ、とむくれた私の頭を涼介の手がぽんぽん、と撫でる。再び絡められた左手が意味ありげに動いた。
涼介「ごーめんて。ねぇ」
A「何?」
涼介「怒った?」
A「…怒ってない」
左手がくすぐったくて逃げたくなるけど、全然離してくれないから仕方なくきゅ、と握り返した。彼はそんな私を見てが満足そうに笑う。なんだか急に恥ずかしくなってきて、冷たいウーロン茶をひと口飲んだ。
涼介「じゃーさ、ちょっと抜けよ?」
A「へっ、今?」
涼介「今」
言い終わらないくらいでもう立ち上がって、手を引かれるままに裏手にある勝手口から外に出た。
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レイン(プロフ) - この作品を見てて私も青色担ですが、オチは一途な涼介くんでいてほしいなと思ってたらラスト最高でした!とてもきゅんきゅんして素敵な作品です!これからも応援しています😆 (2021年11月6日 16時) (レス) @page49 id: ca602b2456 (このIDを非表示/違反報告)
ゆさ(プロフ) - 完結おめでとうございます!今回も最高のちゃみきゅんごちそうさまでした♡涼介も慧くんも好きすぎて揺さぶられまくっちゃいました(笑) 登場人物みんな好きにさせちゃうプロですやん、、これからも応援してます!♡ (2021年10月13日 17時) (レス) id: 79c677a56e (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - 完結おめでとうございます(о´∀`о)今回も楽しませていただきました!!ありがとうございました!! (2021年10月13日 11時) (レス) @page49 id: 7a2928f008 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぺロン(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品もドキドキ&キュンキュン楽しませもらいました♪ちゃみさんの作品でオチが山田くんなのが意外でしたが、山田くん素敵でした(*^^*)知念くんファンの私も持っていかれそうでした(笑)今後もちゃみさんの執筆活動を応援し続けます(^^) (2021年10月11日 4時) (レス) @page49 id: 34cb35f605 (このIDを非表示/違反報告)
めい子(プロフ) - 完結おめでとうございます❤キラキラ伊野尾くん、無愛想だけどなんだかんだ優しいツンデレりょうすけ、ふわふわ主人公ちゃんにキュンキュンさせていただきました♪りょうすけの思いが実って嬉しいです〜(;_;)約一年半、お疲れ様でした(*´ω`*) (2021年10月10日 23時) (レス) id: ff5cae632c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2021年8月11日 9時