epilogue ページ42
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「では!宴もたけなわではございますが!ここで新郎の薮宏太よりご挨拶でございますです!」
宏太「お前酔っ払ってんじゃねーよ」
苦笑いしながらパパが立ち上がる。司会をしてくれているパパのサッカー部時代のお友達がアハハと笑った。すぐ隣でアンティークレースのドレスを着たカナさんがニコニコしてる。撮影係に任命された私は、裕翔くんが貸してくれたデジタル一眼レフを構えパパにピントを合わせた。
涼介のカフェで開かれているパパとカナさんのウェデングパーティーは、プログラム的にはそろそろ終盤だ。とはいえ一次会兼二次会みたいな2人の友人ばかりを集めたパーティー。涼介は朝までいーよと言っていたので、たぶん賑やかな夜はまだまだ続くな。
宏太「えー、今日は皆さん、それぞれ家庭があったり仕事があったりする中こんなに集まってもらって…、」
あれ、シャッター切れない。なんで。カメラの液晶画面を確認するも、機械に疎いのでさっぱり分からない。
裕翔「どした?」
飲み物を運んでいた裕翔くんが私に気付いて来てくれた。長身を少し屈めて、私の手元を覗き込む。
A「シャッター切れなくなっちゃった」
裕翔「貸して?あー、ピント合ってないんだ。微妙に暗いからな〜。見てて?ここで設定変えられるからさ、」
A「うんうん。あ、できた」
裕翔「そうそう。あ、せっかく撮るならもう少し被写体にズームして、ちょっと中心からずらしてみてもおもしろいよ」
A「えー!すごい!裕翔くんカメラマンみたい!」
裕翔「はは、ただの趣味だよ〜」
パパの無駄に余談の多い長話を全然聞かず(パパごめん。でも本当に話長い)裕翔くんと盛り上がっていたら、カウンターからちょっと苛立ってる声がした。
涼介「裕翔!次出来てるから早く持ってけ!」
裕翔「やべ、怒ってる。ごめーん!今行く!」
ちろりと舌を出した裕翔くんは、またなんかあったら聞いてねと笑いながらカウンターに走っていった。
裕翔くんってマジ心広いな。あの気難しい涼介となんだかんだ上手くやってるみたいだし。
調子を取り戻したカメラで再びパシャリとやっていたら、パパがこっちを見て手招きをした。
A「え?私?」
全然話を聞いていなかったので流れが分からない。言われるままに2人の間に立った。
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レイン(プロフ) - この作品を見てて私も青色担ですが、オチは一途な涼介くんでいてほしいなと思ってたらラスト最高でした!とてもきゅんきゅんして素敵な作品です!これからも応援しています😆 (2021年11月6日 16時) (レス) @page49 id: ca602b2456 (このIDを非表示/違反報告)
ゆさ(プロフ) - 完結おめでとうございます!今回も最高のちゃみきゅんごちそうさまでした♡涼介も慧くんも好きすぎて揺さぶられまくっちゃいました(笑) 登場人物みんな好きにさせちゃうプロですやん、、これからも応援してます!♡ (2021年10月13日 17時) (レス) id: 79c677a56e (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - 完結おめでとうございます(о´∀`о)今回も楽しませていただきました!!ありがとうございました!! (2021年10月13日 11時) (レス) @page49 id: 7a2928f008 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぺロン(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品もドキドキ&キュンキュン楽しませもらいました♪ちゃみさんの作品でオチが山田くんなのが意外でしたが、山田くん素敵でした(*^^*)知念くんファンの私も持っていかれそうでした(笑)今後もちゃみさんの執筆活動を応援し続けます(^^) (2021年10月11日 4時) (レス) @page49 id: 34cb35f605 (このIDを非表示/違反報告)
めい子(プロフ) - 完結おめでとうございます❤キラキラ伊野尾くん、無愛想だけどなんだかんだ優しいツンデレりょうすけ、ふわふわ主人公ちゃんにキュンキュンさせていただきました♪りょうすけの思いが実って嬉しいです〜(;_;)約一年半、お疲れ様でした(*´ω`*) (2021年10月10日 23時) (レス) id: ff5cae632c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2021年8月11日 9時