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A「痛…、」
下腹部に走る鈍い痛みに思わず顔をしかめて、壁掛け時計を見上げた。
慧、今日も遅いかな…。
待っていてあげたかったけど、この時期特有の眠気と少しのだるさもあって、瞼が重い。
描きかけのスケッチブックを閉じて、色鉛筆を一つ一つ丁寧に箱にしまっていく。
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付き合うようになってすぐに合鍵をもらった。
いつでも来てねって言われたけど、最初はいつ行ったらいいのかちっともわからなかった。
察してくれたのか、慧の方から今夜来れる?って誘ってくれるようになって。
最近はやっと私の方からも、行ってもいい?って言えるようになった。
そんな風にゆっくりゆっくりと進んできた2人だ。
慧がその先に進みたいのを、分かっていないわけじゃない。
だけどいよいよ今夜かもしれない、という瞬間がくると、不安で胸が押しつぶされそうになってしまう。
もちろんあからさまに避けてるわけではないんだけど、慧もバイトが忙しかったりするから、自然とタイミングは逃してしまっていて、
でもその度に心の奥でこっそりほっとしてるんだ。
正直そういうことに関する知識が全然ないし、
そうなったら自分はどうなっちゃうんだろうって不安もあるし、
何より全てを彼の前でさらけ出す自信も勇気もなさ過ぎる。
嫌われちゃったりしないかな。
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今までずっと1人の世界の中にいた。
誰とも関わらなくて良い世界は孤独だったけどすごく楽だった。
家族とか、血の繋がりのないような人と、ここまで深く関わるのは初めてだった。
だからまだこれ以上深まる先があるのかと思うと、足がすくんでくらくらしてしまうのだ。
ぐるぐる悩んでいたけれど、誰に相談したらいいのかわからなかった。
今まで悩みができたら真っ先に光に言っていたけど、さすがにこんな話題はちょっと気が引ける…。
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この(プロフ) - ええ!続編!出ていたんですか!ちゃみさんの大ファンなのに私としたことが気づいていませんでした、、続編すごく嬉しいです!更新楽しみに待っていますね! (2021年5月31日 17時) (レス) id: b4a6b13381 (このIDを非表示/違反報告)
この(プロフ) - ええ!続編!出ていたんですか!ちゃみさんの大ファンなのに私としたことが全然気づいていませんでした!すごく嬉しいです。続編ありがとうございます(^^) (2021年5月31日 17時) (レス) id: b4a6b13381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2021年5月1日 15時