#17 ページ18
慧くんのお父さん、松兄さんとは、その日を境にちょこちょこ顔を合わせるようになった。
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ゲストハウスでの仕事も2週目に入って、少しずつだけど余裕が出てきた。忙しいことには変わりないけど、すごい充実感。
「お、Aちゃん」
その日はコーヒー豆の買い出し先で、松兄さんとばったり出会った。
A「お疲れ様です！お買い物ですか？」
「おぅ、うちの店もここのコーヒー使ってんだよ」
A「そうなんですね！松兄さんのお店、今度行ってみたいです」
「いつでも来いよ。っつーかそのさん付けなんとかなんねぇの？」
A「えぇ！なんないです！」
「なんねーのかよ」
松兄さんはそう言って豪快にわははと笑った。ちょっと強面だけど、目尻に皺が寄ると一気に優しそうな顔になるんだな。
その時、彼のポケットの中でスマホがブーンと震える音がした。
「もしもし、どうした？」
お仕事の電話だろうか。
邪魔にならないように一歩離れ、いつもの銘柄の袋を手に取っていると、彼の声色が変わった。
「ハァ？どーすんだよ、もう肉も野菜も仕入れ終わってるっつーの！」
急に大きくなったその声に、思わずびくりと肩が跳ねた。
「あーもうしょうがねぇけど…うん、うん。連絡先控えてあるな？…わかった。今日はもう上がっていいぞ」
だけど苛立った様子はその一瞬だけで、あとはいくらか声のトーンが落ち、そのまま電話は終わった。
途端、大きなため息。
A「…何か、あったんですか？」
おそるおそる聞いてみる。目と目があった瞬間、松兄さんは苦笑いをした。
「今夜さ、久々に貸切で予約入ってたのにキャンセルだって」
A「えぇ…！そんな…！」
「ざけんなって話よ。小さい店だからさぁ、けっこう大打撃。くっそ〜」
なんて声をかけたら良いのかオロオロしてしまう。彼はそのままスマホの画面をタップし、誰かに電話をかけ始めた。すぐに受話器の向こうから、ハーイと聞き覚えのある声がした。
「慧、今日の夜うちの庭でBBQやるから人集めて来い！」
マジ？やったー、みたいな声が電話の向こうでする。BBQ？流れが分からず思わずきょとんとしていたら、電話を切った松兄ぃさんがにかっと笑った。
「Aちゃんは？今日何時まで？」
A「今日ですか？早番なので17時には上がりますけど…」
「よし！じゃ帰ったら準備手伝え」
A「準備っ？」
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ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです！ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています！ (2022年1月3日 0時) (
レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2021年5月1日 15時
