#28 ページ29
慧「やばい」
私の作った料理を一通り無言で平らげた後で(かなりお腹が減っていたみたいだった)、グラスワインを飲み干した慧くんが言った。
A「ん?何が?」
慧「料理が」
A「まずかった?」
慧「ちげー!逆だよ逆、全部うますぎ!る!」
A「あら、それはどうも」
慧「天才か」
A「もう酔ってるな」
慧「酔ってない」
A「ふふ。素材が良かったんだよ。大して味付けてないよ?」
慧「や、その匙加減が、やっぱりこう…」
ぶつぶつ言いながら自分のグラスにワインを注いでる。
私もほんのり酔ってきた。彼に聞きたいことがいろいろと浮かんでくる。
それは慧くんも同じだったみたいで、二杯目をこくりと一口飲み込んだ彼は、小さくため息をついてから先に切り出した。
慧「今日は本当にごめんね。俺のせいでAちゃんに嫌な思いさせちゃって。本当にごめんなさい」
A「もういいよ。そんなことより私のせいで別れることになったんだとしたらごめんなさい。居候なんてするからだよね」
慧「それは違う。Aちゃんのせいじゃない」
A「私のこと家に置いてくれるって言った時、彼女に相談しなかったの?」
慧「う…それはまぁ…そうだけど。でも全然やましい気持ちで言ったわけじゃなかったし、きちんと話せば彼女も分かってくれると思ったんだけど」
A「『私なんてまだ慧の家に行ったことないのに!』的なこと言ってたけど、呼んだことなかったの?そもそも付き合ってどんくらい?」
慧「うーん、3ヶ月…いや、4ヶ月?くらいかな?っていうかそんなこと言ってたんだ…家に来たいならそう言ってくれればいつでも呼んだのにな」
A「なんていうのかなぁ。女の子は求められたい生き物だからさ、慧くんが呼んでくれるの待ってたのかもね」
慧「やっぱりそうか。ダメなんだよなぁ俺、そういうの疎くて…」
深い深いため息をついた彼は、ワイングラスをテーブルに置いて頬杖をついた。
少し俯くと彼の顔立ちの美しさがよく分かる。イケメンはそもそも骨格の時点で勝利しているんだな。素晴らしい曲線美。
容姿も中身も魅力しかない彼を目の前にして、興味関心がうずうずと溢れてきた。
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ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです!ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています! (2022年1月3日 0時) (レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2021年5月1日 15時