#11 ページ12
夢も見ないくらい深くぐっすり眠ったその翌朝、
A「…?」
目が覚めて自分が明るい光が差し込む和室で眠っていたのを、どうしてだっけ?と少し考えて、昨日の出来事を順番に思い出してちょっと笑った。
布団の中でうん、と伸びをしたら、窓の外から何やらトントンカチカチ音がしていることに気がついた。
起き上がってベランダに出たら、慧くんが庭で日曜大工みたいなことをしているところだった。
A「おはよう」
慧「わ、なんだ、起きちゃった?おはよう」
A「何してんの?」
慧「ちょっと待って!」
待つ?
起き抜けの頭でそれ以上は回らず、ベランダに出たまま外の景色を見てぼーっとする。
高い建物は特に見当たらない。
遠くの方に山々が連なっているのが見える。
自然の中に街がある感じ。
吸い込む空気は淀んだものが何も入っていなくて、とても澄んでいる感じがした。
.
慧「目が覚めたら部屋にあった!みたいな感じにしたかったんだけどなぁ」
振り返ったら、慧くんがさっきの日曜大工で作っていた何かをよいしょ、と部屋に運び入れたところだった。
それはカラーボックスよりは少し小さいくらいの、二段になっている棚だった。
A「え、かわいい…!作ったの?」
慧「んー家にあった廃材でテキトーにね?この部屋なんもないからさ」
それは本当に可愛らしくて、
何を置こうかな、どこに置こうかな、と考えるだけでわくわくして、
そういう種類の感情を味わうのがあまりに久しぶり過ぎて泣きそうになった。
A「ありがとう…すごく嬉しい」
さすがにここで泣くのは情緒不安定過ぎる女なので笑ってごまかした。
慧「壊れたら言って?すぐ直すから」
A「わかった」
昨日のカルボナーラといい、なんて優しい子なんだろう。そういえば花枝さんの宿の補修も、夜遅い時間なのに嫌な顔一つせずやっていたっけ。
誰にでも自然に、息をするように優しさを与えられる子なんだろうな。
420人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです!ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています! (2022年1月3日 0時) (レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃみ | 作成日時:2021年5月1日 15時