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幾松「A様…!よくぞご無事で…」
A「幾松…」
駆け寄ってきた彼女が、小さい子にするように私の体を抱きしめた。その温もりにほっとして、耐えていた涙がぽろぽろと溢れ出す。
幾松「お怪我は?お体はなんともございませんか?」
A「私は平気っ…、でもまだ中に涼介が…!」
幾松「涼介様が?」
A「慧が…っ、助けに行くって…今屋敷の中に…」
幾松「なんと…!」
しゃくり上げる私の背中を、彼女の手が優しくさする。
「おい!あれは何だ!」
「人間…?違う…!」
「化け物!」
その時、背後にいた使用人たちが騒めき始めた。
皆の視線の先を追って思わず顔を上げる。
瞬間、思わずハッと息を呑んだ。
A「…!」
.
眩い月の明かりに照らされて、ふわりふわりとこちらに向かって降りてくる影
慧の肩には涼介が担がれているように見え、
九つの白い尾がゆらりと妖しげに揺れた。
幾松「あれは…慧様…?」
幾松の言葉に、思わずこくりと唾を飲み込んだ瞬間、
それまでゆっくりと降下を続けていた彼らが唐突にとすんと地面に落ちた。
A「慧…!涼介…、」
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「狐だ!狐が出た!」
屋敷の使用人や、騒ぎを聞きつけ集まった街の人達の騒めきが、次々と耳に入ってくる。
あぁ、みんなに慧のことを知られてしまった。
だけどもう今は、そんなことに構ってなんていられない。
幾松の腕を振り払い、2人の元へ駆け出した。
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いのてりーなみよ(プロフ) - 初めまして!執筆お疲れ様でした。ちゃみさんの作品が大好きで、小学生の頃から読んでいます。今回のお話も曲の世界観とぴったりで最高でした!号泣しながら何度も読み返しました…!やっと自分の携帯を手に入れ、やっとコメントができました!本当にお疲れ様でした! (2020年12月31日 21時) (レス) id: 7e384a3a2f (このIDを非表示/違反報告)
* Rin*(プロフ) - 完結おめでとうございます!もうずっと涼介は…涼介はどうなったんだ…!?と気になっていたのでスピンオフ、めっちゃ嬉しいです!気長に待ってます^^これからも頑張ってください!応援してます (2020年12月31日 17時) (レス) id: 9f5e8f6a71 (このIDを非表示/違反報告)
ふくなな(プロフ) - 初めまして、こんばんは。完結お疲れさまでした。以前からちゃみさんの書く慧くんがどのお話も大好きで、今回のお話も!いつも温かい気持ちになります。ありがとうございます。 (2020年12月31日 0時) (レス) id: 4cd974fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大好き(プロフ) - 完結おめでとうございます!そしてお疲れ様でした!この小説を読んでから歌を聞くと少し切ない気持ちになりました笑この作品大好きです!トキメキをありがとうございました、 (2020年12月30日 15時) (レス) id: f21f825d8b (このIDを非表示/違反報告)
* . ° いのくま。* .(プロフ) - 完結おめでとうございます…!!!喜びと終わっちゃう悲しみできゅんと切なくなったり…。でも山田さんのスピンオフ作品で気分がぐわっと上がりました!w「はな壱もんめ」大大大好きです!これからもずっと読み返したいです…。なによりちゃみさまお疲れ様でした!! (2020年12月30日 14時) (レス) id: 8f7fc3c7dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2020年9月18日 16時