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涼介「珍しいじゃん。ちぃがこんな所で飲みたいなんて」
ざわざわとした喧騒の中、自分より一回り小柄な幼馴染みに向かってそう言うと、
彼はそこら辺の女よりよっぽど綺麗な形の唇をむす、と尖らせた。
侑李「別にいいだろ。いつもあんな堅苦しい店ばかりじゃ飽きちゃうよ」
涼介「それもそっか」
こいつとは、もういつからか覚えてないくらいの頃からの付き合いだ。
うちが代々世話になっている医者の家の一人息子である彼とは、
出会った頃から馬が合い、気が付けばいつも一緒にいた。
涼介「にしても相変わらずひでーな、ここは」
そこはこの街の外れにある屋台街で、
俺たちのような身分の人間は、普段は決して足を踏み入れることはない。
ここで飲める酒は信じられないくらい安くて、味も大雑把で、でもどういうわけか、たまに無性に飲みたくなる。
そんな独特の魅力と活気に溢れた場所だった。
涼介「どこか行きたいとこあんの？」
侑李「決めてない。涼介考えてよ」
涼介「えぇ？しょーがねぇな、」
適当に辺りを見回した時、ある物が目に入ってきた。
.
「旦那、ずいぶんと羽振りが良さそうじゃねぇか。ゆっくり見てって」
地べたにゴザを敷いただけの、屋台とも呼べないようなその一角に、古本が積み上げられていた。
でも目に止まったのはそこじゃなくて…
侑李「涼介？」
知念の呼びかけにも答えず、端の方に数枚、並べてあった絵葉書を手に取った。
やっぱり。
Aの部屋に飾ってあったのと同じだ。
この城は割と有名な場所なのだろうか。
ついこの前の、あの子とのやり取りを思い出して頬が緩む。
涼介「なぁ、これって異国の城なんだろ？どこの国かわかるか？」
「さすが若旦那！目利きだねぇ！
と、言いたいところだが」
すると古本屋の主人は、肩をすくめてバツが悪そうに言った。
「そいつは俺が描いた架空の城さ。
ひと月前にまぐれで1枚は売れたが、それからさっぱり売れねぇ！」
涼介「え…？」
途端、絵葉書を持っていた指の先がさぁっと冷えていくのがわかった。
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ばぶてり - とりあえず今出ている分まで全て読みました。すごく物語を作るのが上手く違うのも読みたい！と思って他の作品も見に行ったらまさかの前に読んでいた作品のほとんどが作者様でした。今まで色んな人の作品を読んできましたが、この作品が1番好きです。応援してます！！！ (2020年8月23日 9時) (
レス) id: 9d1b03072c (このIDを非表示/違反報告)
° * 。いのくま。* ° - 待ってました！現実世界、お疲れ様です！慧くん、どうなっちゃうの…？！というハラハラが止みません！最終話を読んでも感動で胸一杯になると思います。ちゃみ様の小説の世界観が大好きです！そして小説も！はな壱もんめ！ラストスパート、頑張ってください！ (2020年6月29日 1時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
この(プロフ) - 待ってました！！読んでるだけ自分が主人公になったような感覚になり、ハラハラドキドキしてます！！この時期いろいろと忙しいかと思いますが無理をなさらずちゃみさんのペースでゆっくり書いてください！上から目線な感じになってすみません、楽しみに待ってますね！ (2020年6月29日 0時) (レス) id: 2ec27d7b3e (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾様Love.@七星 - 伊野尾様はこれからどうなるのか…涼介様はどうするのか…夢主cはどの道を進むのだろうか…。伊野尾様はそのまま素敵で涼介様は夢主cを想っているのが凄く伝わるし…。結末、楽しみにしておりますっ！ (2020年6月8日 15時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾様Love.@七星 - お久しぶりです！この自粛中お引っ越しをしまして、ネット工事ができず…むずむずしておりましたw久しぶりにみたちゃみ様のはな壱もんめ！感動して涙が溢れましたw (2020年6月8日 15時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2020年5月1日 0時
