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自室に篭り、その書物を端から端まで夢中で読み続けた。
古い書体の文字には、普段から妖怪についての書物を読む機会が多かったこともあり慣れていた。
こんなところで自分の妖怪伝説好きが役に立つなんてどうしようもない皮肉だ。
涼介「……、」
思わず頁をめくる手が震える。
そこに書いてあったのが紛れもない事実だというのは、
伝わってくる気の強さから考えても疑いようのないもの
そこに書いてあったのは、山田家に伝わる史実とは全く異なるものだった。
そこには、あの集落で静かに営まれていた人間と妖狐のあたたかな暮らしと、
それを突然身勝手に奪われたことへの怒り、深い悲しみ、後悔、助けに行けなかったことへの自責の念が書かれていた。
涼介「何が…人々を守るために勇敢に戦った、だよ」
彼の残した手記には、この出来事の詳細の口封じをするために、
山田家から金銭の授受があったことすら書かれていた。
僅か百年前、あれだけの出来事があったにも関わらず、この話が太古の昔の伝説という朧げな程度にしか現在に伝わっていなかったのには、こういう理由もあったのだろう。
有岡家の立派な門構えの屋敷は、その時の金銭で建てられたものだったのだろうか。
涼介「くっそ…」
手記の中に繰り返し出てくる名前があった。
"狐の友達"
"読書を好み、物知りでいろいろなことを教えてくれた"
"まだ小さかった彼の亡骸だけは、燃え尽きてしまったのか見つけられなかった"
"出来ることならもう一度会いたい"
必然的に思い浮かぶ顔はひとつ
読書を好む、妖狐の男
百年前のあの夜、生き残った唯一の…、
涼介「…っ、」
自分が信じてきたはずの正義が、剣の道が、がらがらと音を立てて崩れていく感じがした…
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ばぶてり - とりあえず今出ている分まで全て読みました。すごく物語を作るのが上手く違うのも読みたい！と思って他の作品も見に行ったらまさかの前に読んでいた作品のほとんどが作者様でした。今まで色んな人の作品を読んできましたが、この作品が1番好きです。応援してます！！！ (2020年8月23日 9時) (
レス) id: 9d1b03072c (このIDを非表示/違反報告)
° * 。いのくま。* ° - 待ってました！現実世界、お疲れ様です！慧くん、どうなっちゃうの…？！というハラハラが止みません！最終話を読んでも感動で胸一杯になると思います。ちゃみ様の小説の世界観が大好きです！そして小説も！はな壱もんめ！ラストスパート、頑張ってください！ (2020年6月29日 1時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
この(プロフ) - 待ってました！！読んでるだけ自分が主人公になったような感覚になり、ハラハラドキドキしてます！！この時期いろいろと忙しいかと思いますが無理をなさらずちゃみさんのペースでゆっくり書いてください！上から目線な感じになってすみません、楽しみに待ってますね！ (2020年6月29日 0時) (レス) id: 2ec27d7b3e (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾様Love.@七星 - 伊野尾様はこれからどうなるのか…涼介様はどうするのか…夢主cはどの道を進むのだろうか…。伊野尾様はそのまま素敵で涼介様は夢主cを想っているのが凄く伝わるし…。結末、楽しみにしておりますっ！ (2020年6月8日 15時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾様Love.@七星 - お久しぶりです！この自粛中お引っ越しをしまして、ネット工事ができず…むずむずしておりましたw久しぶりにみたちゃみ様のはな壱もんめ！感動して涙が溢れましたw (2020年6月8日 15時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2020年5月1日 0時
