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持っていた缶をくい、と傾けた山田くんは、
ふと遠くに視線を流してから、小さくクスリと笑った。



涼介「ね、」


急に耳元で声を潜められた声。


A「んー?」


涼介「あの人ってAちゃんの彼氏でしょ」


彼が向けた視線の先にいたのは、
新入生の華やかな女の子たちに囲まれている慧だった。


A「え…!なんで分かったの?」


涼介「ははっ、当たった〜。さっきからこっちチラチラ見てるもん、分かりやす〜」


A「えぇ、ほんと?」


「二次会カラオケでーす!二人は行くー?」


ぽっと頰に熱がこもるのと同時、幹事の男の子が私たちのところにやってきた。


涼介「あ、俺行きまーす!Aちゃんどーする?」


A「わ、どうしようかな…」


涼介「行こーよ、せっかくだし」


今までだったら絶対行かないところだけれど、最近になってあちこちにアンテナを張り巡らせるようになった私の好奇心がちょっとだけむずむずした。


慧はどうするかな…





.




慧「ごめん、俺ら不参加で、」


A「え?わ、ちょっと」


その時突然、背後から聞こえてきた声。

慧は言いながら私の手を掴んで、ぐい、と引いた。
弾みで立ち上がる。



慧はそのままビニールシートのど真ん中を、賑やかな輪の間を縫うように歩き出した。


山田くんがこっちを見ながらニコニコと手を振っている。


.





あちこちから感じる視線。
さっき慧の周りにいた女の子達が、キャピキャピと沸きながらこっちを見ていてちょっと恥ずかしい。


慧はそんなこと構わずに、私の手をしっかり握ったまんまで歩き続けた。




光「あんれー、お前ら帰んの?」


慧「おー、明日ちょっと早いんだよねぇ」


A「え、そうなの?」




シートの端っこに座っていた光。
隣にいた女の子が、お疲れ様です、って言いながらこちらに頭を下げた。
今夜も光の隣を死守している麻帆ちゃん。
なんとこの四月から、通っていた専門学校をやめてこの大学に入学したのだ。

光が受験のこととかいろいろ相談に乗ってたみたい。



光「んー?よくわかんねぇけどお疲れ〜」


慧がぐいぐいと手を引っ張るから、あっという間に光の姿も遠ざかった。



ちらりと振り返ったら、麻帆ちゃんと何やら楽しそうにおしゃべりしてて、
光もまんざらでもなさそう…
なんて、ちょっぴりニヤニヤしてしまう。

* kei→←* kei



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 八乙女光   
作品ジャンル:恋愛
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とまと(プロフ) - 深夜に一気読みで号泣でした、、こんなステキな作品に出会えたこと、とても嬉しいです!、これからも応援してます、頑張ってください!! (2019年12月31日 2時) (レス) id: e7e27b9562 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - いつもドキドキしながら読んでます!最近更新の頻度が高くて嬉しいです!すれ違いってせつないですね、、彼女さんもいい子みたいだし登場人物が皆いい人なので皆に幸せになってもらいたいです続きも楽しみに待ってます! (2019年11月17日 0時) (レス) id: 2ec27d7b3e (このIDを非表示/違反報告)
sayo(プロフ) - 切なくて切なくて、先が気になって仕方ありません。毎回、おもしろ度を最高につけたいのに既に投稿済みで無効になってしまうやるせなさ…ついにコメントまでしてしまいました。更新、楽しみにしています。 (2019年11月12日 19時) (レス) id: 8f2791b52a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - 100票目をいただきました!すぐ駆けつけられなくてごめん( ; ; )ちゃみちゃんの書く伊野尾くんは柔らかくて可愛くて大好きー!楽しみにしてます(*^▽^*) (2019年10月31日 20時) (レス) id: 135a6c956f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2019年10月26日 23時

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