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#91 ページ45

A「…え…?」




それは力強く引っ張られて、気が付けば再び慧の腕の中





慧「…ごめん、こんな感じじゃなくてもっと、


…気持ちが伝えられるだけで十分だって思ってたはずなんだけど」





その時、僅かに聞こえた。



ぐい、と押し付けられた慧の胸元から
とくとくと速いテンポで脈打つ彼の鼓動…







慧「…久しぶりに会えたからなんか、止まんない」



A「でも、慧には彼女が…」



慧「もうとっくに別れたよ、半年前」



A「え…?」






少し離れた場所にある街灯から届く薄明かりに照らされて、

慧の潤んだ瞳が夜空の星みたいに瞬いた。







慧「…俺が好きなのは、Aだけ」








.





ひらり、



2人の間に、どこからか飛んできた桜の花びらが舞い降りた。




.





A「わ、私だって


慧だけだよ…」




言い終えた途端、再び閉じ込められた彼の腕の中。




慧「…何それ、」



耳元で聞こえた声は、口調とは裏腹にぽそぽそと甘く響いた。




慧「ちゃんと言って…?」


A「ちゃんと…?」




とくとくと高まる鼓動に、勝手に熱が集まって潤んでいく目元


彼の綺麗な片手の指が、私の耳元辺りに差し込まれた。



誤魔化したり、はぐらかしたり、そんなことは決してできないような距離で、

慧の瞳がこちらを切なそうに見下ろすから、
伝えなくちゃと思えたんだ。






A「私が好きなのは、慧、だけ…」



A「…!」





最後まで言い終わらないうちに、ぶつかるように重なった唇





.





そのまま慧の片手が私の手を探り当てて指を絡ませるから、ぎゅ、と握り返した。






初めて感じる温度と甘さに、あっという間に溶けてしまいそう





さわさわと、桜の枝が夜風に揺れる音に紛れて、




あの日中庭で初めて聴いた、慧の弾くピアノの旋律が聴こえた気がした…

epilogue kei→←#90



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 八乙女光   
作品ジャンル:恋愛
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とまと(プロフ) - 深夜に一気読みで号泣でした、、こんなステキな作品に出会えたこと、とても嬉しいです!、これからも応援してます、頑張ってください!! (2019年12月31日 2時) (レス) id: e7e27b9562 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - いつもドキドキしながら読んでます!最近更新の頻度が高くて嬉しいです!すれ違いってせつないですね、、彼女さんもいい子みたいだし登場人物が皆いい人なので皆に幸せになってもらいたいです続きも楽しみに待ってます! (2019年11月17日 0時) (レス) id: 2ec27d7b3e (このIDを非表示/違反報告)
sayo(プロフ) - 切なくて切なくて、先が気になって仕方ありません。毎回、おもしろ度を最高につけたいのに既に投稿済みで無効になってしまうやるせなさ…ついにコメントまでしてしまいました。更新、楽しみにしています。 (2019年11月12日 19時) (レス) id: 8f2791b52a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - 100票目をいただきました!すぐ駆けつけられなくてごめん( ; ; )ちゃみちゃんの書く伊野尾くんは柔らかくて可愛くて大好きー!楽しみにしてます(*^▽^*) (2019年10月31日 20時) (レス) id: 135a6c956f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2019年10月26日 23時

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