#86 hikaru (12/4) ページ40
ぱたぱたと遠ざかるAの足音を聞きながら、ベースのストラップを肩にかけた。
オレンジ色の空は少しずつ、夜のグレーに染まっている。
ふと窓ガラスに映った自分の頭に、マヌケなエッフェル塔が乗っかってることに気が付いて、
思わず吹き出しながらそれを手に取った。
.
その時、Aが去ったのとは違う方向から、ばたばたと聞こえてきた足音。
…やっぱり来たか。
.
慧「光…!」
ガラリ、勢いよく開けられたドアの向こうにいたのは、
走ってきたのか、肩で大きく息をしているいのちゃんで。
光「おう、お疲れぃ」
慧「Aは?」
光「さっき帰ってきたよ。今部屋に荷物置きに行ってる。もうちょいしたら戻ってくるけど」
慧「そっか…」
はぁ、とひとつ息をついて、いのちゃんは真っ直ぐこっちを見た。
なんとなくぴん、と張り詰めた空気を感じたけど、気付かないフリをしてベースを弄る。
慧「…光、」
光「んー?」
慧「いっこだけ聞きたいことがあんだけど」
光「へ?何」
こくり、といのちゃんの喉が鳴る音。
なんとなく何を聞かれるのか予想はついていて、ついでにこの後の展開にも予想がついてるけど、
なーんも知らない振りをした。
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慧「…光とAは…今も付き合ってるんだよな?」
ほーらやっぱり。
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とまと(プロフ) - 深夜に一気読みで号泣でした、、こんなステキな作品に出会えたこと、とても嬉しいです!、これからも応援してます、頑張ってください!! (2019年12月31日 2時) (レス) id: e7e27b9562 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - いつもドキドキしながら読んでます!最近更新の頻度が高くて嬉しいです!すれ違いってせつないですね、、彼女さんもいい子みたいだし登場人物が皆いい人なので皆に幸せになってもらいたいです続きも楽しみに待ってます! (2019年11月17日 0時) (レス) id: 2ec27d7b3e (このIDを非表示/違反報告)
sayo(プロフ) - 切なくて切なくて、先が気になって仕方ありません。毎回、おもしろ度を最高につけたいのに既に投稿済みで無効になってしまうやるせなさ…ついにコメントまでしてしまいました。更新、楽しみにしています。 (2019年11月12日 19時) (レス) id: 8f2791b52a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - 100票目をいただきました!すぐ駆けつけられなくてごめん( ; ; )ちゃみちゃんの書く伊野尾くんは柔らかくて可愛くて大好きー!楽しみにしてます(*^▽^*) (2019年10月31日 20時) (レス) id: 135a6c956f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2019年10月26日 23時