#60 ページ13
光「じゃぁ残りは俺といのちゃんのバイト先に置かせてもらうってことで」
慧「おっけーい」
みんなでお金を出し合って印刷した平成祭のフライヤー。
光がデザインを考えてくれて、端っこの方には私たちをキャラクター化したイラストまで付けられている。
小さな段ボールいっぱいに入っていたそれも、気が付けば最後の1束になっていた。
光「公式サイトにあげてもらった動画も結構好評だし…あとは本番迎えるだけだな」
A「どのくらい集まるんだろうね、お客さん…」
いよいよ迫ってきた本番に、最近の私は緊張しっぱなし。
慧「だーいじょうぶ、いつも通りにやろ?」
彼の手がぽすん、と肩に置かれて、
瞬間、胸がきゅんと締め付けられるような感覚が走る。
A「うん、そうだね、いつも通り…!」
慧の方を見上げると、そうそう、って彼は楽しそうに笑った。
.
慧「わ、なんか今日デカくない?それ」
練習室の窓から中庭に顔を出した慧が、用意したキャンバスを指差した。
A「大きいのに描くの慣れときたくて…でも本番、これの倍なんだよ」
慧「うわ、そうなんだ」
A「こんな大きいのに描くって久しぶりだからちょっと不安だなぁ」
慧「前はよく描いてた?」
A「高校の時の卒業制作がそんな感じだったんだ」
慧「へー!見てみたい」
窓の淵に頬杖をついた彼の、少し垂れた瞳がこちらを優しく見つめている。
何気ない会話の中でそんな彼をふと、見つめてしまう。
その指先も、背中も、声だって、
誰かのものなんだって思い出す度、苦しくなる。
.
慧「ん?どしたー?」
A「っ、ごめん、ぼーっとしてた」
慧「えぇ、つまんなかった?俺との会話」
違うよって思わず笑う。
そんな私を見て彼も、目の端っこをくしゃくしゃにさせて笑った。
919人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とまと(プロフ) - 深夜に一気読みで号泣でした、、こんなステキな作品に出会えたこと、とても嬉しいです!、これからも応援してます、頑張ってください!! (2019年12月31日 2時) (レス) id: e7e27b9562 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - いつもドキドキしながら読んでます!最近更新の頻度が高くて嬉しいです!すれ違いってせつないですね、、彼女さんもいい子みたいだし登場人物が皆いい人なので皆に幸せになってもらいたいです続きも楽しみに待ってます! (2019年11月17日 0時) (レス) id: 2ec27d7b3e (このIDを非表示/違反報告)
sayo(プロフ) - 切なくて切なくて、先が気になって仕方ありません。毎回、おもしろ度を最高につけたいのに既に投稿済みで無効になってしまうやるせなさ…ついにコメントまでしてしまいました。更新、楽しみにしています。 (2019年11月12日 19時) (レス) id: 8f2791b52a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - 100票目をいただきました!すぐ駆けつけられなくてごめん( ; ; )ちゃみちゃんの書く伊野尾くんは柔らかくて可愛くて大好きー!楽しみにしてます(*^▽^*) (2019年10月31日 20時) (レス) id: 135a6c956f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃみ | 作成日時:2019年10月26日 23時