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#32 ページ34

慧に声をかけてからお店を出ようと思ったのだけど、ふと見たら隣の席が空いていて、

あれ。いつの間に。トイレかな?
あとでLINEしておけばいっか。


今日1日で、普段の数倍も人と接していて、少しキャパオーバーだった私。


彼にちょっと悪いかな?と思ったけど、バンドの皆に軽く挨拶をして、そのまま居酒屋を出た。







.







駅まで少し、1人で歩く。




…光、付き合うのかな。あの『麻帆』っていう子と…。



今までだって光に彼女がいたことくらいあったけど、
大学生になって親元を離れた今、彼の存在は前より大きかった。



もし、あの子と付き合うことになったら、もう今みたいに甘えるのはムリだろうな…。






赤信号で足を止める。思わず長い長いため息をついた。


本当に、これが光への恋心だったらもう少し格好がついたのに。

お兄ちゃんを取られたくない、みたいな幼稚な気持ちでいる自分がちょっと、情けない。









.







「はー、追い付い、た、」


A「っ、びっくりしたぁ、慧」





振り返ったら、走ってきたのか肩で大きく息をして、薄手のデニムジャケットを片手に持ったまんまの慧が立っていた。






慧「トイレから戻ったらAいないんだもん、ちょっと傷ついた俺」


A「えぇ!ごめん、盛り上がってたからもうちょっと飲みたいかなぁと思って…」


慧「ふは、うそうそ。俺も明日早いからさ」


A「そーなの?」






わざわざ追いかけてきてくれた彼に、思わず嬉しくなって、弾みかけた心も束の間。






慧「そーそー。あとA1人で帰らせたら光がキレそう」


A「えぇ?そんなことないよ…、」






『光』の名前が出た瞬間、また心が鉛みたいに重たくなった。


そっか…ここでも結局光に守られてるだけだ…



慣れないお酒のせい?疲れのせい?

急に視界がぼやけて、慌てて信号の方を向いた。








A「あ、青だ」









ごまかすように瞬きを何回もして、慧の少し前を歩き出す。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 八乙女光   
作品ジャンル:恋愛
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夜神月風火 - いつも楽しみに読んでます。ちゃみさんがだいすきなので、更新されるたびにうれしく思います!無理なさらず頑張ってください! (2019年8月15日 15時) (レス) id: d7aa5f874c (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - Twitterで2つ連載されると聞いてわくわくしながら待ってました!いつもちゃみさんの新作を見るとどんな伊野尾くんでも本当にきゅんきゅんするんです!2つ同時に連載されるのは大変かと思いますが、無理なさらないでくださいね!ずっと待ってます! (2019年4月5日 1時) (レス) id: 06987761d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2019年3月22日 0時

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