#14 ページ16
慧「うっま!」
A「おいしい…!」
.
数分後…
私たちは近くのベンチに適当に座って、1つのパックに入ったたこ焼きを半分こして食べていた。
膝の上に置かれたそのパックは、まだほかほかと温かい。
…っていうか、空腹に染みすぎる。ちょっと泣きそうなくらいにおいしい。
A「あ…、」
ひらひらと舞う薄桃色の花びらが、たこ焼きの上にふわりと落ちた。
思わず見上げると…、
A「きれい…!」
慧「おー!」
夜桜の隙間から見える夜空に、こうこうと明るく浮かんだ満月。
慧「ふは、食うのに夢中で全然気付かなかったわ」
A「ねぇ、」
思わず顔を見合わせて笑う。
彼とおしゃべりしているうちに、今夜ずーっと続いていた緊張感が、いつのまにかほどけているのがわかった。
A「本当にきれいだね…」
やっと、ちゃんとお花見できたような気がする…
思わずポケットからスマホを取り出して、その風景をパシャリと切り取った。
慧「俺も撮ろ〜」
隣に座っていた彼が、ごそごそとポケットを探る。
慧「あれぇ、」
A「どうしたの?」
慧「電池きれてた…」
そう言ってしょぼん、とうなだれて、
慧「あ、」
と思ったら、ぱ、と顔が明るくなった。
慧「ね、今撮ったやつあとで送って?」
…!
A「うん、わかった…」
思わぬ言葉にとくとくと鼓動が速くなる。
でも、さっきまで感じてた居心地の悪い緊張感とはぜんぜん違う。
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夜神月風火 - いつも楽しみに読んでます。ちゃみさんがだいすきなので、更新されるたびにうれしく思います!無理なさらず頑張ってください! (2019年8月15日 15時) (レス) id: d7aa5f874c (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - Twitterで2つ連載されると聞いてわくわくしながら待ってました!いつもちゃみさんの新作を見るとどんな伊野尾くんでも本当にきゅんきゅんするんです!2つ同時に連載されるのは大変かと思いますが、無理なさらないでくださいね!ずっと待ってます! (2019年4月5日 1時) (レス) id: 06987761d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2019年3月22日 0時