#11 ページ13
慧「はぁっ！一気飲みけっこうキタ〜！」
酔っ払い2人の背中を見送った伊野尾くんが、そう言って笑いながら、私の隣に座り直す。
そっか、私いま、助けてもらったのか…！
A「…ありが、とう…」
まだ少し震えている声で、やっとそう返す。
隣に座った彼は、へら、と笑いながらノーカラーのシャツの首元を緩めた。ほんのりと赤みのある肌が目に入る。
慧「やーなんか絡まれてる子いるー！と思ったら光の彼女じゃん！って思ってさ。まーじタチ悪りぃなあの人達」
A「…ん？」
慧「大丈夫だった？なんもされてない？」
A「あ、うん…平気、」
慧「つーか！今日、光は？ダメだよな〜こんなとこに1人にしちゃ」
A「あ、風邪ひいちゃって、来れなくなっちゃって」
慧「あ〜、そういうことかぁ、」
じゃぁしょーがねーか、とか、そんなことをぶつぶつ呟いて、
伊野尾くんは、ふぅっとため息をついた。
A「えっと、伊野尾、くん、」
慧「んぁ？慧でいいよーん」
A「えぇ！」
慧「え！そんな驚く？」
ぱっと顔を覗き込まれて、なんだか恥ずかしくなってしまい、思わず口元を手で覆う。
…だって、光以外の男の子を下の名前で呼んだことなんてないよ…、
そんな私をきょとん、と見つめていた彼は、
慧「ふは、」
急に吹き出して、くすくすと肩を揺らした。
A「なんで笑うの…」
慧「ごめんごめん…なんか、光の彼女っぽい子だなーと思って」
あ、ほら、
やっぱり、誤解してる。
A「彼女じゃないよ」
慧「へっ？」
シートの上に長い脚を投げ出したまま、もう一度彼がこちらを向いた。
A「私、光の彼女じゃなくて、従兄弟だよ」
慧「イトコ？」
A「そう、」
慧「…イトコ？」
A「ふ、なんで二回聞くの」
慧「そーなんだ…、 そっか、」
彼は後ろに両手をついて、脚をシートの上にぶらりと投げ出したまま、
心底意外だった、みたいな顔をしてこっちを見た。
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夜神月風火 - いつも楽しみに読んでます。ちゃみさんがだいすきなので、更新されるたびにうれしく思います！無理なさらず頑張ってください！ (2019年8月15日 15時) (
レス) id: d7aa5f874c (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - Twitterで２つ連載されると聞いてわくわくしながら待ってました！いつもちゃみさんの新作を見るとどんな伊野尾くんでも本当にきゅんきゅんするんです！２つ同時に連載されるのは大変かと思いますが、無理なさらないでくださいね！ずっと待ってます！ (2019年4月5日 1時) (レス) id: 06987761d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2019年3月22日 0時
