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慧「すっげー…マジすごかったね」
A「うん…!」
フロアの中はまだ、光たちの演奏の熱狂の余韻が残って騒めいている。
音楽のことに詳しくない私でも分かった。
光たちのバンドは、さっきまで出ていたバンドとはレベルが全然違っていた。
さっきのガールズバンドだって決して下手だとは思わなかったけど、
光たちに比べてしまったら本当にオトナとコドモくらいの差があった…
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光「いたいた!いのちゃん!A〜!」
慧「おー!」
人混みを縫うようにして、光が現れた。眼鏡をかけたまんまだからなんだか見慣れない。
慧「なんなの光超モテてんじゃん、ずりーんだけど!」
光「感想それだけかよオイ!」
じゃれ合う2人を見ながら、なんだかいつもみたいに光を見れない自分に気が付いた。
いつもと違う彼にドキドキした、とか、そういう甘い種類の気持ちとは違う…
急に置いていかれてしまったような、焦燥感にも似た、ざわざわした種類の気持ちに包み込まれる感じ。
思わぬ居心地の悪さに自分でも驚く。
A「……、」
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口数の少ない私に気付いた光が、身を屈めて私の顔を覗き込む。
光「静かじゃん、大丈夫?人混みで酔ったべ?」
A「…平気だよ」
本当に?とでも言いたそうに、光の大きな瞳がくるりとこちらに向けられる。
本当に、と返す代わりに頷いたら、
彼のごつごつと骨ばった手が、まるで小さい子にするみたいに私の頭をぽすんと撫でた。
光「2人ともこの後打ち上げ来てよ、俺らもーすぐ出られそうだからさ」
慧「まっじ?行く行く〜!」
光「A、いのちゃん一緒なら来れるっしょ?俺もいるし」
A「あ、うん…」
「ごめん光、ちょっといい…?」
その時、光の背後から女の子の声がした。
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夜神月風火 - いつも楽しみに読んでます。ちゃみさんがだいすきなので、更新されるたびにうれしく思います!無理なさらず頑張ってください! (2019年8月15日 15時) (レス) id: d7aa5f874c (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - Twitterで2つ連載されると聞いてわくわくしながら待ってました!いつもちゃみさんの新作を見るとどんな伊野尾くんでも本当にきゅんきゅんするんです!2つ同時に連載されるのは大変かと思いますが、無理なさらないでくださいね!ずっと待ってます! (2019年4月5日 1時) (レス) id: 06987761d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2019年3月22日 0時